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犬猫の飼育管理:飼育管理

「まて」を教える

犬に教えるしつけの中で必ず教えておきたいものの一つに「まて」があります。この「まて」はあらゆる場所で使われ応用ができるしつけです。では一体どんな場面で使われるのでしょうか?

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

僕、ごはんの時いつも「まて」って10数えるまで待たされるんだ。おいしいものが目の前にあるから食べたくてたまらないんだけど、がんばって我慢しているの。「まて」という言葉はしつけの中でも特に大切な言葉だから、忘れないように毎日しているんだって。どのくらい大切なのか、ペットトレーナーのひとみさんに聞いてみようっと。


私が答えます:ペットトレーナーのひとみさん ペットの飼い方・しつけはワタシにおまかせ!

「まて」は犬を守ることもできます

毎日の生活の中で、「まて」という言葉は多くの場面で使われます。
例えば、食事の前や飼い主さんが散歩に行く用意をしている時など、犬を待たせることが必要な場面は多々あり、「まて」ができれば飼い主さんが楽になることは間違いありません。
また「まて」は、犬が人に飛びかかろうとした時、散歩中に首輪が外れて車道に飛び出してしまいそうになった時、落ちているものを拾い食いしようとした時など、突然の危険な行動に対して抑制効果のあるしつけでもあります。「まて」を教えることによって、思わぬ事故やトラブルから大切な犬を守ることができるでしょう。

ストレスのない教え方が大切です

「まて」とは、飼い主さんがその言葉をかけてから解除をするまで、犬がじっと動かずに待っている状態のことです。待っている間は犬にとって、動きたくても動かずに我慢しているストレスの時間でもあります。そのため解除のタイミングはとても重要です。上達が早くてもすぐに待っている時間を長くしたりせず、同じ状態を続けてなるべくたくさん褒めてあげましょう。
また、犬がすでに自分の名前を覚えているのであれば「よし」と解除をしたあと名前を呼んで褒めてあげると、動けたことと自分の名前を呼ばれたことが相乗効果となり、より効果的なしつけが行えるでしょう。

「まて」を教えてみましょう

では「まて」を教えてみましょう。

  • 1まず首輪とリードを付け、「おすわり」をさせます。
  • 2「まて」と言葉をかけ、たとえ数秒でもそのままの状態を保っているようなら「よし」と言って解除し、ご褒美をあげます。
  • 3徐々に待たせる時間を延ばしていきます。もし途中で動いてしまい飼い主さんのほうへ近づいたとしても「もう、だめじゃないの!」など怒らないようにしてください。そこで怒ってしまうと犬は「飼い主さんに近づこうとしたら怒られた」と学習してしまい、飼い主さんに近づくことに恐怖心を覚えてしまうかもしれません。
  • 4ある程度の時間を待つことができるようになったら、次は犬との距離を長くしていきます。「まて」と言葉をかけてから持っているリードの長さいっぱいまで離れます。
  • 5犬が動かずじっとしていることができたら「よし」と解除の言葉をかけてからご褒美をあげます。
  • 6十分練習してできるようになったらさらに離れる練習をします。部屋の中やドッグランなどノーリードでも安全な場所で行うか、屋外であれば少し長めのリードやロープを用意します。同じように「まて」と声をかけ犬から離れます。最初のうちは後ずさりしながら離れてもいいでしょう。
  • 7犬が動きそうになったら後ずさりしながらも「まて」と声をかけます。そこで動かずにいられるようだったら「よし」と解除してよく褒めます。
  • 8十分離れた距離でできるようになったら今度は「まて」と声をかけた後、犬の顔を見ずに離れます。適当な距離まで離れてから振り向いて、犬が動いていないようだったら「よし」と解除してよく褒めます。
  • 9ここまでできたら、今度は「まて」の声をかけた後離れて物陰に姿を消してみましょう。それでも動かず待つことができたら合格です。

※どの練習の段階でも、動いてしまった時はちゃんと待つことができる距離または時間まで練習を逆戻りしてやり直しましょう。

おやつに頼らないしつけをしましょう

基本的な「まて」ができるようになったら解除した後のご褒美であるおやつをあげる回数を少なくしてみましょう。常におやつを与えているとおやつ目当てで「まて」をしたり、おやつ自体に飽きてしまったり、肥満の原因にもなりかねません。毎回与えていたおやつを2回に1回、3回に1回と減らしていき、その代わりに名前を呼んだり「いい子だね」など言葉でたくさん褒めるようにしていくと、最終的にはおやつには頼らないしつけをすることができます。犬にとって名前を呼ばれたり言葉でたくさん褒めてもらえることはおやつをもらえるのと同じくらいうれしいものなのです。

場所や時間を変えてみましょう

「まて」の最終目標はいつでもどこでも飼い主さんの指示に従ってその行動ができることです。この目標を達成できればあらゆる状況で応用ができるようになります。
例えば食事の前、散歩の途中で信号を待っている時、他の犬とすれ違う時、大好きな人が尋ねてきてとびかかりそうになった時など、生活のいろいろな場面で「まて」をしてみましょう。飼い主さんのその一言で自分のしたい行動を止め、解除するまで待てるようになれば「まて」のしつけは終了です。
犬にはそれぞれの個性があり、同じものを見ても好奇心や興奮の度合いが異なります。そのため、自分の飼っている犬が一番興奮しやすい時でも「まて」をできるようにしておくことがとても大切です。

教え方は2通りあります

ほとんどのしつけは「いいことをしたらご褒美をあげる(褒める)」というように「してほしい行動」と「ご褒美」を結び付ける正の強化で行われますが、他の方法として「してほしくない行動」と「罰」を結びつける負の強化があります。罰とは大きな音を立てたり犬にとって不快なことをするものです。
「まて」はこの2通りの方法が使えるしつけです。動かなかったからご褒美をあげるのも、動いてしまったから罰を与えるのもどちらの方法も可能といえます。
しかし、特に子犬の時期は「褒めて育てる」ことが基本です。時に負の強化が必要なこともあるかもしれませんが、正の強化を確実に行っていればそれで十分しつけは成り立ちます。私たちが何かで失敗して罰を受けるよりも、成功して褒められるほうがずっと心地よいのと同じことですね。


獣医師からの一言

犬の集中力には限界があります。集中力が切れているのに続けると事故の元になったり、「しつけ=嫌なこと」と学習されてしまうかもしれません。子犬の頃のしつけはその子の集中力に合わせ、一回を短い時間で行いましょう。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

そう言われれば、お散歩の時僕が道路の向こうにいるお友達のところへ行こうとしたら飼い主さんから「まて」って言われたことがあったなぁ。あの時は「行きたいのに何で?」って思ったけど、交通事故から僕を守るためだったんだね。ありがとう、飼い主さん。僕、これからもごはんのたびに「まて」をちゃんとするからね。

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