人と動物の関係学

[2012年12月] 動物と社会 #18

猫との生活

猫の散歩

 最近特に都市部で生活をする猫たちは自由に外を歩き回ることをあまりさせてもらえなくなっているようです。これ自体は決して悪いことではありません。猫の飼育方法に関してはいろいろな考え方がありますが、特に最近では猫の室内外が勧められています。そして、そのような飼育方法を実施されている飼い主さんたちの中には愛猫にハーネスをつけてお散歩をされている方々もおられます。
ここではこれがよいことなのか、勧めるべきことなのであるかを論じるつもりはありません。猫は自由に出入りができるべきであると主張される方々も沢山おられます。それを否定するつもりもありません。ただし、外界には交通事故、伝染病や寄生虫、他ほかの猫との争い、心ない人々による虐待行為等々、猫にとっての危険がいっぱいあることは全てすべての飼い主さんたちに認識してほしいことです。それでも外に行く自由は束縛するべきではないと考える方もおられることでしょう。
ここではそのことではなく、前述した「お散歩」のことに触れてみたいと思います。お散歩をさせるか否かではなくその手段、すなわちリードをつけることに目を向けてみたいと思います。

猫にストレスをかけないために

 一般的に猫は犬と異なりクレートに入れたり、リードをつけたりという形で動きを束縛されることはあまりありません。しかし、昨年の震災の際に猫連れの避難で問題になったのはまさにこの束縛を受けたことがない猫たちの扱いです。一般の家庭で室内飼育をされている猫でも家の中で動き回る自由を制限されることはあまりありません。例えば人間家族が外出している時や夜間の就寝時などに犬をクレートにいれる飼い主はいますが、猫の場合はこのような事例は少ないとおもわれます。しかし、非常事態が生じれば猫も家族と非難しなければなりません。また、家族の事情により、引越しなどによって長距離の移動を余儀なくされることもあるでしょう。そのような状況下ではできる限りストレスを感じさせぬように飼い主は努力をしなければならないのです。
散歩をすることはなくてもハーネスにならしておくことは大切かも知れません。最近では装着感が小動物にとってもあまり苦痛にならないような商品も開発されています。紐状ではなく柔らかい素材でできたベストのような形をしたハーネスも色々あります。リードをつけれられること、キャリーケージに入れられること、乗り物に乗せられること、クレートで一時過ごすこと等々すべての飼い猫が体験しておくべきことでしょう。災害や引っ越しなどただでさえストレスがかかりやすい状況においてはさらなるストレスの上塗りは極力避けなければなりません。常日頃から上記のような体験をさせてもらっていれば少しは役に立つのではないでしょうか。

いざという時のために

 しかし、言うまでもなく猫のトレーニングには時間や忍耐力が必要です。いきなりハーネスをかけて「慣れてしまえ!」というのは無理なことです。また、今まで閉じ込められたことがない猫をケージに無理やり入れるのもお勧めはできません。忍耐強くトリーツトリ―ツ等を活用しながらゆっくりと行うことが必須です。米国ではHSUS(全米人道協会)及びASPCA(米国動物虐待防止協会)のサイトにその実施方法が掲載されています。
ある米国の猫のブリーダーがこう言っていました。「獣医科病院に連れて行きやすくなる、ということだけではありません。猫の感覚に新たなる刺激が与えられることはその子の生活の幅を広げてやることです。そして非常事態が生じたときにはより早く安全確保ができることは言うまでもありません。」
さて愛猫家の皆さまはどのようにお考えですか?

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