人と動物の関係学

[2012年10月] 子供と動物 #01

子供と犬

動物との関わり方

子供は動物が大好きです。しかし、必ずしも動物との正しい接し方を知っているわけではありません。
子供の教育の中には、交通安全から薬物問題に至るまで、様々な分野での教育がされておりますが、これらは、子供が社会の中でより安全な生活を送る為に必要な教育なのです。しかし、この中でとても大切なものが抜けているのではないでしょうか。それは、動物との関わり方です。

子供たちに何を教えるべきか?その前に・・・

子供たちの中で、一度も犬に遭遇したことがない子供はいないのではないでしょうか。飼った経験や、触ったことがあるということではなく、公園で見かけたり、登下校の途中でお散歩中の犬とすれ違ったり、近所で飼われていたりと、日常の中で子供が犬に遭遇するということは、ほぼ当たり前に近いことなのです。
このような現状の中で、子供は犬との接触に関する正しい情報が必要なのです。 そこで、子供たちに何を教えるべきかを考える前に、まず大人が自分に課せられた責任を認識するべきではないでしょうか。例えば、子供の為に犬を飼おうと考える保護者の方も決して少なくありませんし、すでに飼っている方々も大勢おられると思いますが、まずは犬と自分の子供の接触の仕方を真剣に考えることから始めるべきでしょう。

大人がすべきこと

子犬にとって、子供は兄弟のような存在となり、それが決して良いことばかりとは限りません。
子犬同士の遊びでは、歯をあてたり、飛びついたり、体当たりをしたり、服(被毛)をひっぱろうとしたりします。当然このような行動は、人間の子供に対しても行われ、それに対して子供がどのように反応するかが、後の犬の性格形成に大きな影響を与えてきます。咬まれたから子犬をスリッパでたたく、というような行動を子供が感情にまかせやってしまえば、犬は自己防衛的になってしまうかもしれません。
また、子供は大好きだからこそ抱きしめてしまう、しつこくしてしまう・・・、これもまた、犬を自己防衛的に追い込んでしまうことになってしまいます。
ここで大人がすべきことは、犬と子供を二人きりにしないことが鉄則です。つまり、犬と子供が一緒にいるときは、必ず大人が監視をすることが大切なのです。
中学生位になっても、犬に刺激的な遊びや、乱暴な遊びを過剰に仕掛けてしまうこともあります。あるお宅では、中学生の「お兄ちゃん」が、庭で中型犬に自分のトレーナーの袖をくわえさせて振り回す、という遊びをしていました。これは、言うまでもなく適切な交流の仕方ではありません。
大人は子供に対し、犬の上に乗ったり、強く抱きしめたり、しっぽをひっぱったり、前足をつかんだりしてはいけないということをしっかりと教え、かつそうさせないよう監視しなければならないのです。

鉄則その二は、犬が何かを食べているとき、寝ているとき、そしておもちゃなどで一人遊びをしているときには、邪魔をしてはいけないと子供に理解させることです。もちろん、犬のしつけとしてこの様な時に人が近付いてきても、過剰反応をしないよう教育することも大切ですが、子供にも気をつけるように教育をするべきなのです。
家の外で、よその犬に触りたいときには必ず飼い主に確認をしてからと子供に教えます。そうすることによって、確認できる飼い主がいない犬に触れてはいけないと理解し、勝手に犬に触れないようになります。
つまり、一つのことを教えておくことによって、二方向の安全確保ができるということなのです。
このように、まず動物を飼ってている家庭の意識改革を進めていくことが先決だと言えるでしょう。犬と暮らしている=(イコール)犬を知っているということではないという現実を受け止め、まずは「知っているはず」をより高い意識を持ち得るようにし、そこから子供への教育に発展させていくことを考えるべきでしょう。
突然、学校などに犬との付き合い方を教えるべきであるといってもその必要性は認めてもらえません。また「咬傷事故防止教育」などという文言を使えば、犬が危険な存在であるという間違ったイメージを広げてしまうことにもなりかねません。
日常生活の中で子供が犬に遭遇する確率は今の社会ではかなり高いと言わざるを得ない現状において、正しい情報の普及が早急に実施されるよう愛犬家や愛犬家庭が一層努力していかなければならないのでしょう。

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