人と動物の関係学

[2009年12月] 動物と社会 #01

メディアに歪められる「ペットの飼い主」というイメージ

メディアに取り上げられる「ペットの飼い主」

 先日、テレビで『溺愛されるペットたち』と言う特集がありました。社会に『何かを学ばせる』ことを目的とした番組の一部として放送され、エステ、結婚式、減量(ダイエット)サロン・・・高額なサービスを次々と紹介していました。
 映し出される光景は、確かに魅力的に感じられるものもありましたが、見る者を感心させると同時にひどくあきれさせてもいました。
 それを見て、私たち飼い主や犬・猫好きな人々の姿が、現代社会の中でいかにメディアによって歪められてしまっているか、あらためて感じざるを得ませんでした。

お馬鹿な飼い主=すべての飼い主?

 おそらくあの映像を見ていた多くの人々は、唖然としながらも『お馬鹿な飼い主』の姿に苦笑していたのではないでしょうか。

 特集の中で何万円ものエステを愛犬に受けさせている飼い主がいましたが、はたして犬飼育者人口の何パーセントが同じことをしているでしょう?おそらくは1パーセントにも満たないのではないでしょうか。
 泥パックを塗りたくられている犬が、耳を倒し、体をプルプルと小刻みに震わせている姿も映りました。

 こうして、一般の、ごく普通の飼い主が見ていても思わずため息が出てしまうような場面が、次から次へと映し出されていったのです。

 これは、ペットの飼い主の現状を社会に知らせるのではなく、ペットや動物を好きな人間が世間に馬鹿にされる題材を提供しているにすぎません。
 動物の福祉や、ヒトと動物の関係に関する問題を考えている飼い主ではなく、この番組のように本当に動物に愛情を持っているのかわからない飼い主ばかりをクローズアップされては、私たちの抱える重要な課題が軽視されていくことになってしまいます。

私たちのあるべき姿を見なおしてみませんか?

 ペットの飼い主たちはもっと怒っても良いのではないかと、私は思います。
 動物たちとの未来を真剣に考えている本当の姿をとらえてもらえず、それどころかお馬鹿な集団の一員と見なされてしまうような報道を、ただ見ているだけで本当に良いのでしょうか。

 現代社会における私たちのあるべき姿を、もう一度見つめなおしてみるべきではありませんか?

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