人と動物の関係学

[2010年11月] 動物と社会 #05

動物との生活 -臭い-

多くの飼い主がペットの臭いを意識している

今年初め、ペットの保険会社であるアニコム損害保険が、契約者である飼い主たちにペットの臭いに関するアンケート調査を実施しました。
その結果をみると、自分のペットが発する臭いに関して、飼い主たちがかなり意識をしていることが分かりました。「常時気になる」と答えた人、又「時々気になる」と答えた人を合わせると何と回答者の半数を超えるのです。さらに「季節的に気になる時がある」と答えた人を合わせると、全回答者の約57パーセントが自分のペットの臭いを気にしていることが分かりました。また家族内では気にしてはいないが、他人が臭いと思っているのではないかと心配する回答者は2割強で、これら全てを合わせると、何と回答者のの8割近くが自分のペットの臭いに対して多少なりとも気にしているということになります。

ペットの衛生管理は出来ていますか?

これはどのように解釈すればよいのでしょうか。確かに動物には人間とは違った体臭があります。これは人間にとって不愉快なことなのでしょうか?ここで答えを求めるにはいくつかの事柄を考えなければなりません。
まず一つは、ペットの生活の衛生管理の問題です。
私の家では室内でウサギを二羽飼っています。その話をすると多くの人は「臭くないですか」と聞いてくるのでが、臭くありません。このような人たちは、おそらく学校の飼育小屋やふれあい広場のことを考えているのでしょう。
うさぎはとてもきれい好きな動物であり、トイレのしつけも容易にできます。決まった場所で排泄をしてくれるので、そこの掃除をこまめにすれば糞尿の臭いが充満することはありません。また家の中を自由に動き回り、トイレとは離れた場所で遊んだり寝そべったりすることができるので、体が排泄物にまみれることはありません。
前述したような質問をしてこられた方には、このように答えています。「人間も自分の排泄物が身近に長時間置いてあれば、臭くなってしまいますよ。」
「動物は臭い」という偏見の多くは、人間が作り出した状況に起因するのではないでしょうか。

「きれい好きな日本人」の臭いに対する考え方

しかしアンケートなどに答えておられる方々はむしろ清潔を心がけておられる優良な飼い主なのではないかと思います。
その様な方々が臭いを気にするという点に関してはきれい好きな日本人の本質が出ているような気もします。
実は欧州各国の知人の中には犬はお風呂にほとんど入れないと言う人もいます。動物は普通に飼っていれば汚れは自然と落ちるし動物自らが毛繕いをするので大丈夫であるというのです。さてそれは本当でしょうか?私には何とも言えませんが、土足で家の中に入らない日本人は多分世界一のきれい好きだと思うのです。それゆえにきれいにしている自分の動物のに臭いも気になるのではないでしょうか。
それはそれで悪いことではありませんが一つだけ飼い主として私たちが忘れてはならないのは彼らの嗅覚の鋭さ及びに臭いそのものに対する嗜好です。
私の愛犬の中には猟犬の血が入った子がいますが、彼女の大好きな臭いは猫の糞や腐敗した小動物の死骸から発される臭気です。魚などが入った生ごみの臭いも大好きです。反対にかんきつ類の爽やかな臭いは大嫌いです。外国土産の高級な香水などもってのほか。私は20年前から香水を一切付けていません。当時私は沢山のモルモットを飼っていました。ある日出掛ける前に化粧をし、香水を付けてから愛モルを抱き上げ頬ずりをしました。そのとたんに可愛い声で「ヘーップション!!」と私の顔に向かって大きなくしゃみをしました。何だか「クチャイ!」と言われた気がして、それ以来香水を付けるのはやめてしまいました。化粧の方は年齢を考えるとちょっと難しいのですが。最近では有名ブランドの犬用香水などを目にすることもありますが、これは少し方向性が違うのではと感じています。
きれい好きは良いのですが自分のぺットの気持ちも考えてあげる必要があるのです。シャンプーなども人間が好む香りで良いのでしょうか?歯磨きもあまり研磨するような形で行うとエナメル質を傷つけてしまいます。糞や尿の臭いは健康のバロメーターとして気に掛けなければならないものです。
きれい好きな日本人も、「臭い」についてもう少し考える必要があるのではないでしょうか。

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