人と動物の関係学

[2011年4月] 動物と社会 #07

災害に思う


今回の東日本大震災は大津波、原発事故と続き、あっという間に東日本は三重苦を背負うことになってしまいました。すさまじい被害状況を目の当たりにして、我々は言葉を失い、被災された方々のことを考えると胸が痛む思いです。
そして、我々動物好きにとってはこの大災害の中で動物たちがどうしているのだろうという思いも強かったのではないでしょうか。多くの人間が命を奪われた中で、動物のことを中々言い出せない方もおられるではないでしょうか。今そのようなことを言ったら「不謹慎」と思われるかも知れないと考えてしまうのも当然のことでしょう。

ペットは家族の一員なのです

しかし、阪神大震災の時と比べてペットに関する報道が少し早い段階でされているように感じるのです。少しずつでもペットは家族の一員という感覚が浸透してきたのでしょうか。
「動物ごときに・・・。」という世間の批判も以前より少なくなってきていると感じます。これはやはり多くの自治体等で、今は同行避難が提唱され、防災訓練などにも登場するようになったからかも知れません。
これから被災者の方々は復興という長く辛い戦いを続けなければなりません。でもそのような辛い日々の中でこそ、伴侶となって寄り添ってくれる動物たちの存在が必要なのです。これから仮設住宅の供給も始まりますが、そこにはもちろん家族の一員であるペットたちも入れるようにしていただきたいものです。
また県外に引っ越すことを余儀なくされた方たちにも動物を連れての移住が可能になることを祈らずにはいられません。

管理下に置かれる命・・・誰が守る?

被災地での動物問題は他にもあります。それは家畜です。大津波に流されてしまったものも沢山いるそうですが、餌不足で死んでいくもの、原発問題で飼育管理者が他の地域へ避難してしまったもの等、大変な目にあっている動物は沢山います。
この動物たちに対して人間はどのように責任を果たすべきなのでしょうか。国や組織等によっては緊急時に避難させることができない家畜は安楽死もしくは人道的屠殺をするというルールをもっているところもあります。それも一つの手段でしょう。
また今回はほとんどの魚が停電のために死滅してしまったという水族館もありました。人間の管理下に置かれていたために命を失ったとしか言いようがありません。
現場の方々を責めるつもりはありませんが、自分自身の安全確保をすることができない弱者の中には動物も入るのです。人間を犠牲にしてまで動物を助けろ、ということではありません。ただ沢山の命を自分の管理下に置いている者は万が一の場合はしっかりと対処をする覚悟をしておかなければならないということなのです。
ペット、家畜、動物園、水族館・・・。皆もう一度胸に手をあてて考えてみる必要がありそうです。

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