人と動物の関係学

[2011年9月] 動物と社会 #09

犬はファッション?ミックス・ブームに思う

店頭に並ぶ「混血犬」

最近、純血種の犬の「ミックス」を販売する方々が増えているようです。これは一体どのような現象なのでしょう?
確かに今まで家庭内のアクシデントとして小型犬などの混血犬が生まれることはあり、かわいらしいヨーク・ラ二アンやシ―・ワワ等の姿を見ることもありました。しかし最近では何とペットショップの店頭にこのようなわんこが並んでいるのです。
更にはラブラドールとプードルのミックス犬のラブラドゥ―ドルの繁殖をやってみませんか?などと一般に呼び掛けるサイトまで見つけてしまいました。

「混血犬」がつくられた訳

そこで、恐らく世界で一番有名なミックス犬であるこのラブラドゥ―ドルのことを少し探ってみました。なぜ、誰がこの様な混血犬を作ろうと思ったのでしょうか。
実はこの混血犬は数あるミックスの中でもいずれは純血種、すなわち独立した犬種として認められる可能性が一番高いものなのです。反対する方々も沢山いますが、そもそもそのルーツはどの様なものなのでしょう?
ラブラドゥ―ドルを初めて作った、つまり第一号犬を繁殖した人はウォ―リー・コンラン氏という男性で、オーストラリアで盲導犬の仕事をしていた人物です。彼は視覚障害者のユーザー候補の女性から盲導犬が欲しいが夫がアレルギー体質なので困っているという相談を受けました。そこでコンラン氏は毛が抜けにくい犬種であれば大丈夫なのでは、という考えのもとで一般的に盲導犬に使用されていたラブラドールレトリーバーと抜け毛の問題が少ない犬種として知られているプードルを掛け合わせる事を思い立ったのです。
これは1988年のことでした。その年に世界で初めて正式にラブラドゥ―ドルという犬ができたのです。

「混血犬」のその後・・・一人歩きする神話そして混血犬ブーム

しかし現在のコンラン氏にインタービューをした人たちの話を総合すると彼はこう言っているそうです。「世界初のラブラドゥ―ドルを作ったのはあなたか、と聞かれればそうです、と答えるが決して誇りに思っている業績ではない。」
それはなぜなのでしょう?彼は自分がやったことに尾びれがついて、ラブラドゥ―ドルの神話が独り歩きし始めてしまったと言っています。アレルギーが全く出ないわけではないし、理想通りというわけにはいかないそうです。この様な話は実際に飼ってみた方々からも寄せられているようです。
更に、この犬に始まり各地でミックス犬のブームが起こり、まるでオーダーメイドのデザイナー・物件のごとく、色々な犬を作りだす動きが活発化してしまったことは残念であるとコンラン氏は思っているようです。

「どこかおかしい」混血犬ブームは今後どうなってしまうのか

彼だけではなく各種の純血種の血統を守り続けるブリーダーたちの多くも、このミックスブームを苦々し思いで見ているようです。ファッションの一環のように犬を扱い、お金のために外見だけを重視し次から次へと売れ筋商品を「製造する」のはいかがなものか、とある犬種のブリーダーが言っていました。
言うまでもなくこのわんこ達は売れてしまうのです。それは消費者が犬にファッション性を求めるからなのでしょうか?それとも可愛い「物」を欲しがるからなのでしょうか?いずれにしても「どこかおかしい」と感じている愛犬家の方々も決して少なくないと思います。
さて、今後のこのブームどうしたらよいのでしょう?

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