人と動物の関係学

[2012年7月] 動物と社会 #15

人間と犬

ホロウィッツの本

最近アレキサンドラ・ホロウィッツというコロンビア大学バ―ナードカレッジにて心理学の教鞭をとっている学者が書いた犬の行動に関する本を読みました。普通の訓練・躾本ではなく、動物行動学の専門書でもなく、まさに「犬って面白い生き物、人間の本当に良いパートナー」という点を立証するような内容で犬好きにはたまらない一冊でした。その中で特におもしろかった情報は、人間の働きかけに対する犬の反応のタイミングに関する記述でした。犬は人間との「異種間」の遊びに興じることができる素晴らしい動物であり、アイボ等のロボットとの決定的な違いはその遊び行動にあるとホロウィッツは言っています。

遊びは重要な行動

以前読んだ本に人間の最も重要な行動の一つは遊びであると書いてあったのを思い出し、その遊びに参加できる犬は本当の意味で人間の親友であると感じました。猫との違いは遊び仲間同士の行動が相手の行動にしっかりと関連付けされているという点だそうです。犬の人間のアクションに対する反応時間は1秒を切るほど迅速であることも多々あるということも驚きですが、確かにボールを投げた瞬間にそれを追って飛び出す犬を見ているとそうであることが実感できます。そして最も驚いたのが人間の動きに対する犬の反応は人間同士が反応しあう時とタイミングが非常に似ているという点です。ホロウィッツいわく、人間の行動に応える犬の動きは人間同士が協力体制を組んで物事を進めている際と同じようなペースを保っている。言われて見れば犬ほど人間とシンクロする動きが訓練できる動物は他にはいないような気がします。本の中で取り上げられている研究結果は人間と犬の交流、遊び、は良いチームワークが出来上がっているサッカー選手同士のプレイのタイミングと酷似しているというものでした。これはすごいと言わざるを得ません。まさに人と犬のパートナーシップです。ホロウィッツも言っていますが人間も犬も社会を形成する動物でありそのような動物は仲間と行動を合わせることが自然とできるようです。そして犬は種の異なる我々人間にも行動を合わせてくれることができるのでしょう。

犬は人間の友

この点をじっくり考えてみると、身体障害者補助犬のように自分の飼い主に常に行動を合わせて作業をすることを要求されている場合でも、きっと犬はそれをさほど大変であると感じることがないのかもしれないと思ってしまいます。また、そのような仕事にもっとも向いている動物なのであろうことも納得してしまいます。犬は人間の友といつも言われていますが中身を科学してみるとなるほど、事実がそれを裏付けているのであることもよくわかります。皆様もぜひ愛犬の様子を今一度しっかりと観察してみませんか。

このページのトップへ