人と動物の関係学

[2014年3月] 動物と社会 #23

ロシアのペット騒動

リスをペットとして大流行

ソチのオリンピックで注目されていたロシアですが、最近、モスクワの公園ではペットをめぐり大きな騒動が起きています。何とモスクワ市内の公園から、リスが次々と姿を消し始めているのです。それは、決して疫病が流行っているわけではありません。

実は、リスの密猟が大変盛んになっているのです。リスは、肉や毛皮のために密猟の対象にされているのではありません。実は、今ペットのリスを飼うことが市民の間で大流行りしているのです。どのようにして始まったのかは定かではありませんが、最近、リスを売るサイト等がネット上で色々と宣伝もしています。「リスは可愛くて、優しい動物、人間にもフレンドリー。」などと売り込まれているのです。言うまでもなく、リスは野性の動物であり、人間が身近において飼育することは、とても難しいのみならず動物虐待にもなりかねません。また追いつめられれば鋭い歯でかみつくこともあり、安全に扱える動物でもありません。

不法な捕獲行為にたいする罰則

当然のことながら、地元の動物愛護家たちは怒りをあらわにしています。モスクワの公園では、リスに餌を与える人々がかなりいるそうです。これらの行為が、「ペット化」の現象につながったのかどうかは分かりませんが、餌やりをしている人たちからも、リスの不法な捕獲行為に対する怒りの声は聞こえてくるようです。

この不法行為は言うまでもなく、警察が取り締まらなければならないものであり、モスクワ警察は、市内の緑地の警備を強化するなどの措置をと言っています。パトロールの警官の数を増やし、密猟者を検挙する構えを見せているのです。密猟者自身は捕まってしまうと、上限2万ルーブルの罰金を科せられます。これは日本円にすると5-6万のお金なので、決して安いわけではありません。しかし、ネット上の販売サイトを見ると、リス一匹が約5千ルーブルで売られているのです。これは、約1万5千円です。つまり複数のリスを捕獲することに成功し、それをネット販売すれば、かなりの収入を得ることができるようです。一回つかまって罰金を払わされても採算が合う、と言うことなのでしょうか。いずれにしても密猟者は後を絶ちません。愛護家たちは罰金をもっと高くすればよいと言っています。

動物の福祉をきちんと考えてほしい

しかし、このような現象はロシアに限られたものではありません.我が国においても野鳥を違法に捕獲してしまう輩がいます。鳥獣保護法を無視して飼育や販売用に小鳥などを捕獲してしまうのです。むろん警察に見つかれば、逮捕される立派な犯罪行為なのですが、このようなことが起こっていることは事実です。

しかし、考えてみれば末端でその行為を支えているのは、そのようにして違法な手段で捕獲された動物でも、お金を払って手に入れたいという欲望を抱く人間です。このような人間が「動物好き」であるなどと言われること自体おかしな話なのです。動物を身近におくことを望んでいる人々が必ずしも動物の福祉を考えている訳ではない、必ずしも真の動物好きではない、そう思うと何か悲しくなってしまいます。

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