人と動物の関係学

[2014年11月] 動物と社会 #25

エボラ出血熱とペット

「エボラ出血熱による不幸」

最近、世界を震撼させている「エボラ出血熱」ですが、感染者がアフリカ大陸の外でも出始めていることはとても恐ろしいことです。スペインの看護師の方が、帰国後に発症したことはニュースで聞かれた方も沢山おられること思いますが、その看護師の愛犬の話はご存じない方もいるでしょう。

この看護士とそのご主人の愛犬が、何と感染源になる危険があるとして当局の命令で、安楽死されてしまったのです。ご家族の方が、「なんとか助けてほしい」と嘆願していたにも関わらず、犬は殺されてしまいました。

しかし、その後WSAVA,世界小動物獣医師会がこのことに関する声明を発表したのです。世界小動物獣医師会は感染者のペットである犬や猫に関しては、しかるべく検疫期間を設け隔離するべきであるが、安楽死をする必要はないと発表したのです。スペインの事例にとっては遅かりしと言うところですが、この不幸な事例を受け、迅速に獣医師の団体が対応をしたことは評価するべきでしょう。今後もこのようなことが更に起こる可能性もあり、はっきりとした見解を専門家集団が公表したことはありがたいことです。

「動物と人間に共通する感染症」

ペットと人間の間には、共通する感染症が沢山あります。それらは、適切な知識の普及及び適切な飼養管理方法の指導によって、十分に対応することができるのです。いたずらにそれらの危険性をあおる様な発言をすることで、動物達が不当な扱いを受けたりすることもあると言うことを忘れてはなりません。

同時に共通感染症は、動物から人に移るだけではなく、人間が動物にうつしてしまう可能性もあることも覚えておかなければなりません。一方通行のものではない訳ですから。 それに加え「どのような病原体を有するかわからないもの」、「未知数である様々な野性動物」などは、やはり人間があまり身近におかない方が良いのであるという点に関する教育も必要でしょう。

「野生種の未知な部分と大きなリスク」

人間が身近におくために作ってきた動物達、家畜、は長年にわたり、多くの事柄が研究されてきた生物でもあります。どのような病気があり、どのような予防措置が効果的であるか等々、十分な獣医学的情報が存在するために、共同生活上の安全配慮が比較的容易である動物達です。

しかし、多くの野性種は、まだまだ未知の部分があり、どのような危険が潜んでいるかも十分に理解されていません。そのような生き物を、自らの生活圏にどっぷりといれてしまうことは、大きなリスクを背負うことにも繋がるでしょう。世の中には「奇妙な動物」の飼育を好む人もいます。また、いろいろな動物を触れ合い施設や「00カフェ」のようなところで使用しているようです。それが我々人間にとって、本当に安全なことなのかどうかは、専門家の方々に、もう少ししっかりとした発言を望むところです。

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