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動物の病気:ずっと元気でいてね 〜飼い主さんができる予防と健康管理〜

シニア犬になると 〜しぐさの変化〜

人と同じくペットも高齢化が進んできました。今では飼われているワンちゃんの4頭に1頭が10歳以上なのだそうです。高齢になるとワンちゃんの行動にはどのような変化が見られるようになるのでしょうか。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

このあいだ、僕の飼い主さんのおじいちゃんが遊びに来てくれたよ。とっても元気そうだったけど、僕と追いかけっこをしたり遠くまで散歩することはもうできないんだって。僕たちも年をとったら速く走れないようになったりするのかな?  獣医師の先生に聞いてみよう。


私が答えます:Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

シニアと呼ばれるようになる年齢

ペットは人の数倍の速さで歳をとっていきます。小型〜中型犬の場合は約7歳、大型犬の場合は約5歳でシニア(=高齢期)と呼ばれるようになります。これは人で言うと45〜50歳くらいに相当します。人もこの頃から体力が衰え始めたり老眼が始まったりする年齢ですよね。ペットの場合も個体差があるものの、やはりこの頃からさまざまな体の変化が現れ、今までとは違った観点で健康管理をする必要が出てきます。


【シニア犬のしぐさ その1】お散歩時の変化

ワンちゃんも高齢になると体力が低下してくるため、若い頃よりも運動をしたがらなくなってきます。お散歩の距離が短くても満足するようになったり、全力で走ったりといった、若い頃にはしていたような動きをしたがらなくなるのが普通です。
しかし、歩き出してすぐに息が上がって座り込んでしまったり、ハアハアと肩で息するようになったりするようであれば、高齢の小型犬で多く見られる「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気かもしれません。僧帽弁閉鎖不全症は心臓の機能が低下してしまう病気ですから、全身に血液がうまく回らなくなり、ひどくなると舌の色が紫色っぽくなってしまうこともあります。この病気を治すことはとても困難ですが、早期に発見すれば進行を遅らせることもできます。不安を感じたらなるべく早く動物病院で診てもらうことが大切です。
また、階段の昇り降りがぎこちなくなったり、歩幅が狭くなって背中を丸めて歩くようになってきたら、手足や背骨の関節が歳をとって変形や炎症をおこしている可能性があります。放っておくと痛みが生じたり、体重を4本足に均等にかけないようになることがあるため、これらのしぐさが見られたら早めに診察を受けることが必要です。


【シニア犬のしぐさ その2】ご飯を食べる時の変化

多くのワンちゃんは歳をとるにつれてゆっくりとご飯を食べるようになってきます。毎日飢える心配をしなくてもいいという安心感から精神的に余裕が出てくることもありますが、若い頃よりも消化能力が低下してきて食欲が落ちてくることも理由の一つです。
たくさんのものを一度に食べることができなくなるため、シニア犬には栄養バランスの取れた消化の良いシニア犬用のフードを与えるようにしましょう。
もし、高齢のワンちゃんなのにご飯を際限なく欲しがるようであれば、それはホルモンの病気か痴呆が始まったせいかもしれません。特にホルモンの病気は早期発見、早期治療が大切なので、疑わしい場合には早めに精密検査を受けることが重要です。
また、歳をとってきて歯石が溜まり歯槽膿漏になると、口の中が痛くなったり歯が抜けたりするため、食べ物を片方の顎だけで食べるようになったり、食べながら食事をぼろぼろとこぼすようになります。もし、ご飯を食べていない時でも舌が出ている様子がみられたら、その部分の歯が抜けてなくなっているかもしれません。歯の健康は毎日のお手入れが大切ですが、このような様子が見られたら動物病院に相談しましょう。


【シニアのしぐさ その3】おうちでくつろいでいる時の変化

シニアになるとひとつひとつの動作がゆっくりになり、寝ている時間も増えてきます。またおうちの中でくつろいでいるときには、自ら遊ぶことはあまりせず、ほとんどの時間をじっとして過ごします。筋肉も衰えて体が骨ばってきたところに同じ姿勢でずっと寝つづけていると、腰骨や肩、膝などに床ずれができやすくなります。床ずれは常に体の一部に体重がかかることによりそこの部分だけが血行不良になってしまう症状なので、シニア犬の寝床には厚みのある柔らかい素材のものを用意して、体重が全体に分散するようにしましょう。足腰が特に弱っている子の場合は、時々寝返りを手伝ってあげましょう。


【シニアのしぐさ その4】トイレの変化

シニアになると消化能力が低下してくるため、ちょっとしたことでもすぐにお腹を壊しやすくなります。体力のないシニア犬はちょっとした下痢でもすぐに全身状態の悪化につながります。トイレを始末する時には必ず消化の具合や色などをチェックして、いつもとちょっと違うなと思ったら、その便を持ってなるべく早く診察を受けるようにしましょう。 また、オスのワンちゃんの場合、若い頃は足を上げておしっこをしていた子も、足腰が弱くなってくるとしゃがんでおしっこをするようになることもあります。


獣医師からのメッセージ

老化は徐々に進行していくためしぐさの変化はほんの少しずつですが、その変化を敏感に察してあげましょう。早めに対処してあげれば、ワンちゃんが健康で長生きすることにつながっていきます。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

僕たちも年をとってくれば、体が今と同じようには動かなくなってくるんだね。でも、おうちの人が先回りしていろいろと手を打ってくれるから、きっと歳をとっても毎日を楽しく暮らすことができるよね。

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