動物の病気:ずっと元気でいてね 〜飼い主さんができる予防と健康管理〜

おうちでの高齢犬のケア

ペットも歳を取ると体力が落ち、さまざまな病気になりやすくなることは前回お話しました。また、高齢犬特有の病気のサインについても以前にお伝えしました。今回は病気になりやすい高齢のワンちゃんが元気で長生きしてもらうためには、今までよりも少しだけ丁寧なケアが必要であることについて、お話をしていきたいと思います。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

今まで癌とか関節炎とか心臓の弁膜症認知症といった歳を取るとなりやすい病気についていくつか説明してもらったけど、歳を取ったら病気ばっかりで辛いだけなのかな?いつまでも元気で楽しく暮らすにはどんなことに気をつけてもらえばいいんだろう?
獣医師の先生に聞いてみよう。


Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

【病気の早期発見と予防が今まで以上に大切です】

長生きをしても関節炎、弁膜症など老化が一因となる病気に全くならないようにすることはなかなか難しい問題です。しかし、症状が悪化する前に発見し治療をはじめることができれば、症状の進行を遅らせることが可能です。見つけた時の症状が軽ければ軽いほど、それだけ悪い状態になるのを遅らせることができるということです。病気を早く発見するには飼い主さんの注意深い観察力と定期的に健康診断を受けることが大切です。特に高齢と言われる年齢、7歳を過ぎた頃(大型のワンちゃんは5歳を過ぎた頃)になったら、年に1〜2回の健康診断を定期的に受けるようにしましょう。
また、ワクチンや犬フィラリア症予防薬などいままで続けてきた予防を「ずっと続けてきて、歳を取ってしまったからもういいや」といって止めてしまわないようにすることもとても大切なことです。高齢になると全身の免疫力が徐々に落ちてくるため、予防は今までより一層重要になってくることを忘れないようにしましょう。

【外に出るときに気をつけること】

お散歩は、歳を取ってから発症しやすい関節疾患や心臓疾患のことを考慮しながら、あくまでもワンちゃんのコンディションに合わせて行うようにしましょう。足腰の衰えや認知症の予防として適度な運動は毎日したほうが良いのですが、天候やワンちゃんの体調によっては途中から引き返すなど臨機応変に対応しましょう。最近は足腰の弱っているペットのために人が持ち手で支えてあげることのできる補助付きハーネスのようなお散歩グッズもありますので、こういったものを積極的に利用するのもよいでしょう。
お散歩のコースは硬いアスファルトよりもクッション性のある土や芝生のほうが関節や肉球に優しく歩きやすいでしょう。段差や坂は関節や心臓に負担をかけるため、なるべく通らずに済むルートを探してあげましょう。また興奮を避けなければいけない心疾患のあるペットは他のワンちゃんが吠えかかる道や人通りの多い場所・時間帯を避けることも大切なことです。

【食事のときに気をつけること】

高齢犬には必ず消化の良い高齢用のフードを用意してあげましょう。硬すぎないか、飲み込みにくい大きさではないかなどは食べ方をよく見て判断し、もし硬くて噛めないようであればお湯やペット用ミルクなどで少しふやかして与えると良いでしょう。
また、多くの高齢犬は変形性脊椎症などの理由から立ったまま首を下げて食事をする姿勢が辛くなってきます。食器をやや高い場所に置いて首を伸ばした状態で食べられるようにしたり、座ったままでも食べられるような工夫をしてあげましょう。
さらに高齢犬は歯石が溜まりがちなので、食後には毎回歯磨きをして歯槽膿漏を防ぎましょう。

【高齢犬に心地よい寝場所とは】

高齢になると一日の大半は寝て過ごすようになります。ですから、高齢犬にとって寝る場所と寝具はとても重要です。年をとってから今までの習慣を変更することはストレスになるため、寝ている場所やその周辺の家具を大幅に移動させることはあまりお勧めしませんが、今の場所が常に静かで落ち着ける、しかし大好きな家族の存在は肌で感じることのできる場所であることを確認しておきましょう。
寝具は床ずれ防止に体重を分散するような厚みのある、それでいて熱のこもらないようなマットレスを下に敷いてあげたほうがよいのですが、汚れやすく、適度な温度と湿度のせいでダニの温床になりやすいため、定期的に洗うか日光に干すようにしましょう。

【安全でストレスのない環境作り】

高齢で足腰に不安を感じるワンちゃんにとって段差はとても危険です。たとえば、階段なら、途中まで登って転げ落ちるといったアクシデントを避けるためには降り口にペットゲートのようなものを設置するとよいでしょう。また小型犬の場合、ソファも立派な段差です。飛び乗りそこねて転落する可能性があるのなら、スロープを設置してそこから乗り降りするように教えてあげましょう。そのほかにも、足を引っ掛けやすい電気ケーブルは壁際に貼り付ける、台所やお風呂場には勝手に入れないようにする、滑りやすい床にはマットレスを敷く、なども高齢犬に対する安全対策です。
ストレスは全ての病気における増悪因子で、それを回避するようにしなくてはなりません。たとえば、お客様という他人が家の中に入っても直接顔を合わせないようにするとか、多頭飼いでしつこくするようなワンちゃんがいた場合には部屋を完全に分けて一人になれる空間を作る、などです。
また、熱い寒いなどの温度差も強いストレスになります。室内は常に一定温度を保つようにしましょう。

【今まで以上に大切なグルーミング】

高齢になるほどワンちゃんは自分でグルーミングをしなくなってきます。健康チェックもかねておうちの人がこまめにスキンシップを兼ねたグルーミングをしてあげましょう。ブラッシングをしながら皮膚のしこりをチェックしたり、涙やけを拭き取りながら目やにの量や白内障のチェック、口周りの食べかすを拭き取りながら顔の皮膚とよだれの量のチェック、肛門腺を絞りながらお尻周りのしこりのチェックなど細かく気を配りましょう。
また、若くてよく動き回っていた頃は自然に丁度良い長さに削れていた爪も歳をとるごとにだんだん伸びてきてしまうことがあります。今まで不必要だった爪切りが必要になる場合もあるので、爪の長さも常にチェックしておくべき点です。

【獣医師からのメッセージ】

どんなに若い頃元気いっぱいで全く病気になったことがなかったワンちゃんでも、高齢になれば飼い主さんのサポートが必要になってきます。しかし何を望んでいるか、それにどう答えるかによって高齢のワンちゃんでもまだまだ元気で長生きさせることは可能です。

【ゼノくん、アックちゃんからの一言】

僕たちは確かにおうちの人よりも先に歳を取ってしまうし、歳を取ったら病気にもかかりやすくなるかもしれないけれど、おうちの人がいろいろと気をつけれてくれるから、きっと大丈夫。元気でいられるよ。

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