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動物の病気:ずっと元気でいてね 〜飼い主さんができる予防と健康管理〜

高齢猫のケア

最近では猫のほうが犬よりもやや長生きの傾向にあります。それは完全室内飼いで、ワクチンや駆虫薬などの予防もきちんとしている子が増えたためだと言われています。最近では15歳を超え20歳に手が届く猫も少なくありません。これらの高齢猫においては、若い頃とは異なる健康対策やケアが必要になります。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

私のおばあちゃんは17歳だけど、今もとっても元気なんですって。たぶんおうちの人に、とても大切にされているからだと思うんだけど、具体的にはどんなことに気をつけてもらっているのかしら?私も元気で長生きの秘訣を知りたいわ。獣医師の先生に聞いてみましょう。


Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

高齢猫とは

猫の場合、約7歳が人の45歳に相当し、高齢(シニア)といわれるようになります。見た目はそれほど変わりませんが、その頃から少しずつ動きがゆっくりになり、一日の多くを寝て過ごすようになってきます。自らすすんで運動しなくなるばかりではなく、高いところにジャンプできなくなったり、すばやい動きに追いつけなくなってくる子もいます。また、高齢になるとかかりやすい病気が見られるようになってきます。


高齢猫になった時の体の変化

猫の老化は少しずつ進んでいきますので、見た目での変化はすぐには分からないかもしれません。しかし、非常に注意深く、時には健康診断などで内臓を含めてチェックをしていくと次のような変化が見られてきます。

① 筋肉の衰え、関節の硬化

高齢になって動かなくなると筋肉が衰えて足腰が細くなったり、老化に伴う関節の変形などから動きがぎこちなくなってきます。

② 感覚器官の衰え

老齢性の白内障が始まって視力が低下したり、耳が聞こえづらくなったするほか、嗅覚や味覚が衰えることから食事に対する興味が低下し特定の味やにおいの食事しか受けつけなくなることがあります。

③ 被毛や皮膚の変化

栄養状態や新陳代謝の低下から毛ヅヤがなくなり毛が薄く粗くなります。もともと黒っぽい毛の子は白髪が目立ってくることもあります。皮膚は薄く弾力がなくなってくるため皮膚病なども起こりやすくなります。

④ 内臓機能の低下

高齢になると内臓の機能が徐々に衰えてくるのと同時に、体を守る免疫系のバランスが崩れてくるため、循環器系や消化器系などの病気が起こりやすくなります。おなかを壊しやすくなったり、腎臓や心臓といった臓器の機能低下が見られるようになります。


高齢猫がかかりやすい病気

上記のような体の変化に伴い、高齢猫がかかりやすい病気というものがあります。主なものは次の病気です。

① 歯周病、口内炎

歯垢や歯石が長年にわたり蓄積されていくと、歯周病や口内炎が起こりやすくなります。そのままにしておくと痛みにより食欲が低下してしまいます。

② 腎機能の低下(腎不全)

高齢猫の多くが慢性腎不全になり、腎臓から老廃物を排泄する機能が衰えてきます。食欲不振、体重減少、嘔吐などの症状がみられます。はじめは多飲多尿(水をたくさん飲み、たくさんおしっこをする)が見られますが、症状が進むにつれておしっこの量が通常よりも減ってきます。

③ 心筋症

心臓が大きくなり、正常に血液を送り出すことができない病気です。食欲不振、呼吸困難などみられ、血栓ができて血管が詰まってしまうこともあります。

④ 腫瘍

腫瘍は猫が年齢を重ねるほど発生しやすくなります。残念ながら猫の腫瘍は犬に比べ悪性であることが多いといわれています。

⑤ ホルモン系の疾患

甲状腺機能亢進症や糖尿病といったホルモン異常が原因となる病気は高齢になると多くみられます。
甲状腺機能亢進症は活発になったり食欲が増すなど病気らしくない症状が見られるため、元気になったと誤解しやすく治療が遅れがちです。
糖尿病もはじめのうちは食欲が増し、水をよく飲むといった症状のため大きな病気と気付くまで時間がかかる傾向にあります。

これらの病気が高齢猫に起こる場合、治療を行ったとしても完治できないものが多くあります。しかし、病気が悪化する前に発見し、適切なケアを行うことによって病気の進行を遅らせて天寿を全うさせることは可能です。


病気を早期発見するために

病気を早期発見するにはどうしたらよいのでしょうか。飼い主として、してあげられるポイントは次の2点です。

① 定期健康診断を年に2回程度行う

猫の1年は人間の4年に相当します。若い時期は1年に1度の検診でも十分ですが、高齢猫ならではの病気や体調の変化を見逃さないためには半年に1回程度の健康診断を行い、病気の早期発見を目指しましょう。

② ちょっとした変化を見逃さない

病気の初期段階では体の変化はほんのわずかです。食事や飲水の量、食べ方、肉付き、歩き方、おしっこの量など「あれ?いつもと違う」と思うことがあったら早めに動物病院に相談することが大切です。


おうちでできるケア

高齢の子がなるべく病気をせず、健康に過ごすためには、おうちでも普段から次のようなことに気をつけることが大切です。

食事の変更:7歳を過ぎたら高齢用のフードに変えましょう。これは加齢に伴って始まる代謝や抵抗力の低下を防止すると共に体重管理、毛玉の対策などを考慮しています。
動物病院でフードを購入している場合は、同じフードを続けた方が良い場合がありますので、動物病院に相談するといいでしょう。

口腔衛生:毎日歯ブラシやガーゼなどでデンタルケアをすることを心がけましょう。すでに歯石が付いていたり歯茎が赤くなっている時には早めに動物病院に相談しましょう。

ボディーチェックを兼ねたグルーミング:高齢になると自分でグルーミングをしなくなるため、人が代わりにブラッシングや清拭をしてあげましょう。その時に全身をよく触って全身のチェックも行いましょう。

室温などの生活環境の管理:高齢猫は若い猫に比べ、体温調節もうまくできず、快適な場所を求めて活発に移動することも行いません。その子の気持ちになって住みやすい生活環境づくりを目指しましょう。


獣医師からのメッセージ

加齢による病気は仕方がないものとあきらめてしまいがちですが、早期発見をすれば病気を進行させないでうまく付き合っていくことで天寿を全うすることもできますし、高齢になる前からちょっとしたケアを続けることで発症を遅らせることも可能です。飼い主さんのちょっとした気遣いが愛猫を長生きさせるのです。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

おうちの人が少し気をつけてくれるだけで、おばあちゃんみたいに長生きできるかもしれないってことのなのね。わたしも頑張って元気な20歳を目指さなきゃ。

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