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動物の病気:愛犬・愛猫のために 〜予防したいペットの病気〜

ワクチンにはどんな種類があるの?

一言で「ワクチンを打つ」と言ってもその種類は色々あります。予防のために接種するものですから、犬と猫それぞれに最適なものを選びたいものです。今回はワクチンの種類についてお話しましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

ゼノくんに、ワクチンのお知らせが来たよ。「7種混合ワクチンを打ちましょう」って書いてあるけれど、7種って何が7なんだろう?ワクチンの種類についてもっと知りたいな。
・・・・・・・獣医師の先生に聞いてみよう。

「混合ワクチン」ってみんな言うけれど、狂犬病ワクチンとは違うものなの?

予防したい病気は狂犬病だけではありません

ワクチンは大きく分けて2種類あるんだ。一つは『狂犬病ワクチン』、そしてもう一つは『混合ワクチン』だよ。
狂犬病ワクチン』は犬に対して、法律で接種が義務付けられているワクチンなんだ。狂犬病に感染した犬に咬まれて人間が発症したらほぼ100%死んでしまうとても恐ろしい病気なんだ。だから狂犬病予防法によって飼い犬の市町村への登録と毎年1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられているんだよ。
でも、予防したい病気は狂犬病だけじゃないよね。君達が健康で長生きしていくためには、それ以外のかかりやすい病気を予防するワクチン、すなわち『混合ワクチン』を接種することも、同じくらい大事なことなんだ。


ふうん。じゃあ、その混合ワクチンってどんなものなの?

何種類もの病気を一緒に予防するワクチンです

ワクチンは、1つの病気に対して1種類ずつ作られている。だから、例えば「7種混合ワクチン」といった場合には、7種類の病気に対するワクチンが混合されていて、1回の接種で7つの病気を予防できるワクチンのことを指すんだ。これが混合ワクチンだよ。
ちなみに混合ワクチンに対して、1種類だけのワクチンのことは「単体ワクチン」と呼ばれているよ。
ワクチンを打って欲しい、と動物病院に行けば獣医師の先生は、その地域の環境や飼育形態をもとに、今どのようなワクチンが最適なのかをアドバイスしてくれると思う。でもそのとき、予防したい病気はたいてい1つではないから、混合ワクチンを使うんだね。犬の場合、混合ワクチンの種類は2種〜9種くらいまで、猫では3種〜5種くらいまであって、どのワクチンを接種するのが最適なのかは、獣医師の先生としっかり話をして決めるといいだろうね。


混合ワクチンで予防できる病気について、もっと詳しく教えてほしいな

予防できる病気について説明しましょう

じゃあ、一つ一つの病気について説明していこう。犬と猫ではかかる病気が違うから、ワクチンで予防できる病気もそれぞれ違うことに注意してほしいな。

パルボウイルス感染症
パルボウイルスに感染すると、ひどい嘔吐、激しい下痢、血便、脱水などの症状が起こります。とくに子犬では死亡率が高く、ひどければ半日〜2日程の間に命を落としてしまう大変恐ろしい病気です。
原因となるパルボウイルスは、感染している犬のウンチや嘔吐物、唾液に混じって体外に出たあと、犬同士の接触や散歩時などに新たな犬の口から体内に入り、感染していきます。
犬ジステンパー
この病気に感染すると、発熱、目やに、くしゃみ、鼻水などの初期症状に続き、嘔吐や下痢などの症状が起こります。その後、震えや痙攣などの神経症状を起こすことがあり、そうなると致死率は高く、回復したとしても後遺症が残ることがほとんどです。伝染力が強く、感染した犬との接触や、その目やにや鼻水、唾液、尿との接触で感染します。
犬伝染性肝炎
この病気に感染すると、鼻水や41℃の発熱、下痢、嘔吐などの症状を起こし、肝炎が進行すると神経症状を起こすことがあります。突然死することもあり、1歳未満の子犬では致死率の高い恐ろしい病気です。回復期には、角膜が白く濁る「ブルーアイ」と呼ばれる症状が見られます。
このウイルスに感染した犬と接触することで主に口から感染していきます。
犬アデノウイルス2型感染症
犬伝染性喉頭気管炎とも呼ばれる病気です。最初のうちは空咳が続く程度で食欲や元気がなくなることはまれですが、微熱があり、気温の変化や興奮したり運動したりすると咳がひどくなります。さらに重症になると、鼻水に膿が混じってきて食欲もなくなってきます。
他のウイルスや細菌との混合、あるいは二次感染によって症状が重くなります。
この病気は飛沫感染なので、感染しているイヌの咳やくしゃみによって空気中にばらまかれたウイルスが直接他の犬に広がっていきます。
犬パラインフルエンザ
水様性の鼻水や咳、軽い発熱や扁桃の腫れなどがみられます。アデノウイルス2型(犬伝染性喉頭気管炎)や細菌と一緒に「ケンネルコフ」と呼ばれる、特に子犬がかかることの多い代表的なカゼ症候群を引き起こします。子犬が集団で飼われている場合、他のいろいろな病原体と混合して発症することが多く、非常に強い感染力があります。くしゃみの飛沫を吸いこんだりすることで経口・経鼻感染します。
犬コロナウイルス感染症
腸炎を引き起こす感染症で、嘔吐や下痢、元気・食欲の低下、脱水などの症状が起こります。成犬の多くは無症状ですが、子犬では症状が重くなることがあり、とくにパルボウイルスも感染した場合には致死率が高くなります。
感染した犬のウンチに口が触れたりすることで感染します。
犬レプトスピラ病
この病気は細菌によって起こります。主に腎臓や肝臓がおかされ、人間にもうつることがある怖い人獣共通感染症です。代表的なのは「黄疸出血型」と、「カニコーラ型」の2種ですが、このほかにもいろいろな種類があります。感染した犬やネズミなどの尿や、その尿に汚染された土や水たまり、下水、田んぼの水を飲んだり接触したりすることで感染します。

この7つの病気のどれを組み合わせるかによって混合ワクチンには「5種混合」「7種混合」「8種混合」などいろいろな種類があるんだ。「9種混合」になると、レプトスピラの型の種類が多くなるんだよ。

猫伝染性鼻気管炎
猫ヘルペスウイルスによって起こる病気で、発熱、くしゃみ、咳、鼻水、目やに、よだれなどの症状を起こします。伝染性が強く年齢に関係なく感染しますが、子猫では感染しやすく高い死亡率を示します。
主に感染猫や、その鼻水、唾液に接触して感染します。
猫カリシウイルス感染症
猫伝染性鼻気管炎と似たような症状を示し、発熱、くしゃみ、鼻水、目やに、よだれなどの症状を示します。口内炎ができるのが特徴で、重度になると痛くて食物を食べられなくなることがあります。
感染猫との接触や、くしゃみなどからの空気感染で広がります。
猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
パルボウイルスが原因で起こる伝染性の胃腸炎で、感染力が非常に強く、死亡率が高い病気です。血液中の白血球が極端に少なくなってしまうため、細菌や他のウイルスに対する抵抗力が弱くなってしまい、合併症を起こしやすくなります。食欲・元気消失、発熱、激しい嘔吐や下痢などの症状がみられ、妊娠中の母猫が感染すると流産や出生子の脳奇形がみられることがあります。経過が早く治療が困難で、特に子猫では非常に死亡率の高い伝染病です。
猫白血病ウイルス感染症
ウイルス感染により免疫力が低下し、病気や傷が治りにくい、下痢がつづく、歯ぐきが白い、痩せた、元気や食欲がない等のさまざまな症状がみられます。
その他、リンパ肉腫、白血病などの腫瘍性疾患をはじめ、貧血、白血球の減少などの骨髄機能の低下、腎炎、慢性口内炎、免疫不全のため他の感染症を併発することもあります。根本的な治療法はなく、若い猫が感染すると数年で死亡する危険性のある病気です。
感染猫の唾液中には多量のウイルスが含まれていて、猫同士の毛づくろいや同じ食器を使ったりすることで感染します。また、感染した母猫から生まれた子猫にも感染します。
猫クラミジア感染症
クラミジアという微生物による感染症で、鼻水やくしゃみ、目やに、流涙、結膜炎や角膜炎などをおこします。時として肺炎を起こし、重症化すると死亡することがあります。
感染している母猫から生まれた子猫は開眼が遅れ、ひどい目やにがでます。目やにを適切に取り除かなかった場合、角膜に穴があいてしまうことがあります。
猫免疫不全ウイルス感染症
この病気は猫の免疫機能を低下させるため様々な病気にかかりやすくなり、「猫のエイズ」とも呼ばれています。感染しても発症しないことがありますが、約50%に口内炎や歯肉炎などがみられ、そのほか貧血、慢性の鼻炎や腸炎、結膜炎などがみられることもあります。また、病気や怪我が治りにくかったり、体重の減少、下痢、肺炎、リンパ節の腫れなど様々な症状がみられます。ウイルスは唾液に多く含まれるため、感染猫とのケンカによる噛み傷や交尾から感染します。

猫も上記の病気のワクチンをいくつか組み合わせて混合ワクチンとしているんだけど、猫免疫不全ウイルス感染症のワクチンだけは混合ワクチンではなく、単体のワクチンなんだ。他の混合ワクチンと同時に打つことはできないから、注意が必要だね。

怖い病気がたくさんあるんだね。注射は痛いけど、それよりも病気を予防するワクチンを打つことのほうがずっと大事なんだって思えてきたよ。

見えないものだからこそ、ワクチンで予防しましょう

そう思ってくれてよかったよ。ウイルスや細菌は目には見えないものだから、もし感染していてもすぐにはわからないし、気づいたときには遅かった、ということもあるよね。「ワクチンを打っていれば病気を防げたのに」「ワクチンを打っておけばよかった」という後悔をしないためにも、年に一度のワクチン接種、きちんと守っていって欲しいな。


獣医師からのメッセージ

現在、さまざまな種類のワクチンがありますが、どのワクチンをどのタイミングで打つのが自分のペットに最適なのかは、年齢、生活環境などによって異なります。獣医師とよく相談して、最適なワクチンスケジュールをたてましょう。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

一本のワクチンからいろいろな病気が予防できるんだね。ちょっと難しかったけど、僕たちも何の病気に対してのワクチンを打ったのか、きちんと言えるようにしておこうっと。

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