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動物の病気:愛犬・愛猫のために 〜予防したいペットの病気〜

犬フィラリア症を徹底研究

暖かい時期になると動物病院で「犬フィラリア症を予防しましょう」と言われます。この「犬フィラリア」という寄生虫は一体どのような、そしてどんな病気を引き起こすのでしょうか?この寄生虫の生態や病害について、詳しくお話しましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

動物病院の先生から「犬フィラリア症を予防する季節が来ました。検査をして予防薬を飲ませましょう」ってハガキが来たよ。犬フィラリア症で命を落とした仲間がいるって話も聞くから、きっと怖い病気なんだろうけど、実際にはどんな病気なんだろう?獣医師の先生に聞いてみよう。


犬フィラリア症という病気

「犬フィラリア症」は、「犬フィラリア(犬糸状虫いぬしじょうちゅう)」という寄生虫が心臓に寄生することで起きる病気のことだよ。犬フィラリアは素麺みたいに白くて細長い虫で、最長で30センチにもなるんだ。この虫が心臓や肺動脈の中に入り込むから血液の流れが悪くなって、いろいろな症状が出てくるんだよ。時には死んでしまうこともあるから恐い病気だね。蚊が運び屋になって犬から犬に感染していく病気だけど、実は猫にも感染することが分かっているんだ。

→「猫の犬フィラリア症について」はこちら

へぇ〜。でも、蚊が運び屋になるってどういうこと?どうしたら30センチもある虫を運ぶことができるの?

犬フィラリアの一生を説明しよう

犬フィラリアの赤ちゃん(ミクロフィラリア)は目に見えないくらい小さくて、0.3mmしかないんだ。蚊がフィラリア感染犬の血を吸うときにミクロフィラリアを一緒に吸い込んで、その蚊が再び他の犬の血を吸うときに、成長した犬フィラリア幼虫が唾液と一緒に犬の皮膚に入り込むんだ。そして犬の体内を移動しながら成長して、最後に心臓や肺動脈に到達して成虫になるんだよ。

犬フィラリアの一生

へえー、犬から蚊へ、また蚊から犬へ、さらに体内を移動だなんて、なんか複雑な一生を送るんだね、犬フィラリアって。

ではこの一生を犬フィラリア側から詳しく見てみよう

そうだね。ちょっと難しいかな? じゃあ、犬フィラリア本人にその一生について話してもらおうか。

  • おいらは生まれたての犬フィラリア。今、犬の血の中にいるんだ。ちまたでは「ミクロフィラリア」って呼ばれてる。まだ目に見えないくらい小さくて、レベルは1だ(L1)。おいらがレベルアップするためには、必須アイテムとして"蚊"が必要なんだけど、それまでは血液の流れに乗って、ただぐるぐるするだけなんだよな〜。
    L1の犬フィラリアは大きさが0.3ミリ程度の大きさです。
  • おっ、蚊がおいらの住処の犬の血を吸っているぞ。おいらも一緒に吸われて蚊の体内に入るぞ!
    よぉし、蚊の中でおいらはレベルが2になったぞ(L2)。
    このままもう一段階さらにレベルアップだ!(L3)
    気温にもよりますが、蚊の体内で成長するにはおよそ2〜3週間かかります。蚊に吸われないミクロフィラリアはそのまま死滅してしまいます。
  • レベル3になったおいらには、別のステージが必要だ。そう、犬の体内。成長させてくれるならどんな犬でもかまわないぜ〜。 蚊の口元で待機して、犬の血を吸うのを待つことにするか...
    あっ。止まったぞ。よし、蚊の唾液と一緒に犬の体内に潜入!
    どっこいしょっと。潜入完了! 
    犬の皮膚の中でおいらはさらにレベルがアップする(L4)。 L4は犬の皮膚や筋肉の中を、約70日かけて移動します
  • ここまでくればもう、一安心。あとはもう一段階レベルアップして(L5)、血管の中に入ってしまえば、誰もおいらに手は出せないぜ。血液の流れが心臓まで送り届けてくれるって寸法よ...
    よし、もうすぐついの住処の心臓だ!
    心臓にたどり着いたL5は、血液を肺に送る血管(肺動脈)や心臓内の部屋(右心室)に住み着き、成虫になって、メスはミクロフィラリアを産むようになるのです。

※ L1の「L」はLEVELの略ではありませんが、ここでは分かりやすく「レベル」の表現を使用しています。本来は「Larva=幼虫」の意味を持ちます。

なるほどー。犬フィラリアはこうやって大きくなるんだね。それで、もし僕が犬フィラリア症になっちゃったらどうなっちゃうの?

犬フィラリア症は症状がすぐには出ない、とても怖い病気

実は犬フィラリアに感染してもすぐには症状が出てこないんだ。でも、小さな動物の小さな心臓の中で何匹も成虫になってしまえば、心臓からうまく血液が流れなくなってしまうよね。そうなると、咳をする、呼吸が荒い、元気・食欲がなくなる、お散歩に行きたがらない、お腹に水が溜まる(お腹が張る)、赤茶色のおしっこ(血色素尿)がでるなどの症状が出てくるんだ。それに血液の流れが悪くなるから、脳貧血を起こして失神して突然倒れてしまうこともある。放っておけば当然、命にかかわってくるとても怖い病気なんだよ。

すぐにわからないなんて、かえって不気味な病気だね。ねぇ、もし犬フィラリア症になっちゃったらどうしたらいいの?

犬フィラリア症になってしまったら

犬の場合、心臓や肺動脈内の犬フィラリア成虫の寄生数が少なくて症状がないようであれば、新たなフィラリア幼虫の寄生を予防薬で防ぎながら、犬フィラリアが寿命になって死ぬのを待つ、という方法があるんだ。けれども、犬フィラリアの寿命は約5年もあるからその間に症状が出てしまうことがあるんだ。
じゃあ、成虫を退治しちゃえはいいんじゃない?って思うかもしれないけど、成虫を退治するのはとても大変なんだ。まず成虫駆除剤を使う方法があるんだけれども、これを使うと成虫が一度に全部死んでしまうから、血管が詰まる可能性があって非常に危険なんだ。もうひとつは、麻酔をかけて特殊な器具を心臓に入れて、犬フィラリア成虫を取り出す方法があるんだけど、熟練した技術が必要で難しいんだよ。
だから、犬フィラリアが成虫になってしまう前に、予防対策をするのが一番いい方法になるんだね。

獣医師からのメッセージ

一年中蚊に刺されないようにするというのは不可能に近い、というのは私たち人の体験でもわかると思います。大切なのは、蚊に刺されても犬フィラリアが心臓までたどり着かないようにして、確実に犬フィラリア症を予防するということなのです。

ゼノくん、アックちゃんからの一言

犬フィラリアって本当に怖い寄生虫なんだね。みんなが「予防をしましょう」って言っているのがよくわかったよ。ぼくたちも予防対策をしっかりしてもらって、犬フィラリア症にならないようにしなくちゃね!

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