アトピー性皮膚炎は、アレルギー性皮膚炎の一種です。
まずは、アレルギー性皮膚炎について理解しておきましょう。
アレルギー性皮膚炎とは、イエダニやカビ、花粉など様々な物質(アレルゲン)に対して、体が「これは異物(侵入者)だぞ!」と判断し、「出て行け!出て行け!」と排除しようと過剰に反応するために起こる症状です。健康なペットでもアレルゲンが体の中に入ると、それを排除するためのたんぱく質(抗体)が作られますが、アレルギー体質のペットの場合には、この抗体が過剰に作られてしまいます。 作られた抗体は、肥満細胞という細胞を刺激し、肥満細胞からは「ヒスタミン」というかゆみや炎症の素が放出されるのです。
アトピー性皮膚炎は、生まれつきの体質(素因)が大きな原因となっています。特徴として、「様々なものに抗体を作りやすい」「皮膚のバリア機能が弱い」などがあります。
体質的にアトピーを持つペットのうち、7割が3歳以内に発症するといわれています。はじめはある季節だけかゆがっていたのに、それがだんだんと一年中かゆがるようになります。症状は主に、脇の下や足の股、顔、耳、首から胸、指の間などの皮膚の弱いところに見られます。
いつも足や口を使ってかいていると、次のように皮膚が変化してきます。
残念ながら現在のところは、アトピー性皮膚炎であることを一度で診断する方法は確立されていません。他の病気でないことが明らかになった上で、アトピー性皮膚炎以外に考えられない、となった時にはじめて診断することができるのです。つまり、アトピー性皮膚炎は診断までに時間がかかる病気なのです。
次のような疑問を持って検査を行い、どれも原因として特定できない場合には、アトピー性皮膚炎が疑われます。
| 寄生虫感染ではないか? | ノミやカイセン、ニキビダニが寄生することで、皮膚のかゆみが引き起こされることがあります。ノミは目に見える寄生虫ですが、カイセンやニキビダニは目に見えないほど小さく、皮膚の下にもぐりこんでいるため、何回も検査を行う必要があります。 |
| 細菌感染ではないか? | 皮膚に細菌が感染することによって、皮膚炎をおこす病気を「膿皮症」といいます。適切な処置を行えば、比較的早く治すことができます。 |
| マラセチア感染ではないか? | マラセチアというのは真菌の仲間で、主に皮脂を栄養としています。薬用のシャンプーを使って余分な皮脂を取り除くことが主な治療となります。また、飲み薬で治療することもあります。 |
| 食餌性アレルギーではないか? | 同じアレルギーでも、フードの中のたんぱく質がアレルゲンとなって、アレルギー性皮膚炎となることがあります。症状は口元やお尻の周り、指の間や耳に出やすく、食餌を変えることによって軽減します。 |
残念ながら、アトピー性皮膚炎は生まれながらの体質によるものが大きいため、完治すことはとても難しいのが実情です。しかしながら、皮膚炎の症状をできるだけ抑える治療は可能です。動物病院で処方してもらう薬で症状を抑えながら、同時にペットの生活改善を行いましょう。
かゆいのは本当にツライよね。症状を少しでも軽くできるよう、飼い主さんのケアが大切なんだね。シャンプーだって、薬を飲むことと同じくらい大切な治療らしいよ。次回は、シャンプーによる治療の話を聞かせてもらおう。