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動物の病気:知ることから始めよう! 〜分かりやすい病気の話〜

腎不全について

腎不全とは「腎臓が正しく機能していない状態」のことを指し、高齢の猫によく見られる病気です。腎臓は一度壊れてしまったら元に戻せませんが、正しいケアを行うことでその進行を遅らせることが可能です。腎不全とはどんな病気なのか、腎不全になった時のケアの方法を今からしっかりと理解しておきましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

猫は年をとると、「慢性腎不全」っていう病気になりやすいんですって。腎不全ってどんな病気なのかしら?もし腎不全になってしまったらどうしたらいいのかしら?
獣医師の先生に聞いてみましょう。


Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

腎不全とは

腎臓の主な仕事は、「体の中のゴミを捨てること」です。血液中を流れているものの中で、体にとって必要なものは体内に残し、そして不必要なものは体外へ排出します。すなわち体内で作られた老廃物を、おしっことして体外に排出するという働きを行っているのが腎臓です。腎不全とは、その機能が損なわれてしまった状態のことを指します。腎不全になると、血液中の老廃物をうまく排泄できなくなり、その結果、老廃物が体の中にたまったり、必要な水分をどんどん排出してしまいます。そして、尿毒症や脱水のようなさまざまな病害が発生します。
腎不全には急性腎不全と慢性腎不全があります。急性腎不全は症状が激しい一方、早期に正しい治療を行えば回復可能なのに対して、慢性腎不全は腎臓が徐々に破壊されていくため、症状に気付きにくく完治することはありません。

猫は慢性腎不全になりやすい

猫は肉食性のため食事が高タンパクであることに加えて、普段から水を飲む量が少ないため、腎臓に負担がかかりやすい動物です。これが、慢性腎不全になりやすい大きな要因のひとつとされており、高齢の猫に多く見られます。

腎不全の症状

慢性腎不全の初期は、ほとんど症状が見られず、また、ゆっくりと進行していくのでなかなか気付かないことが多いのですが、注意深く観察を行うと次のような変化が見られます。

  • 食事の量は変わらないのにも関わらず、体重が少しずつ減っていく。
  • 水を飲む量が増え、薄いおしっこをたくさんするようになる。
  • 全身が脱水し、皮膚に弾力がなくなる。
  • 進行すると元気や食欲がなくなり、一日中うつらうつらと寝ていることが多くなる。
  • 頻繁に吐くようになる。
  • 貧血になり、歯茎が白っぽく見えてくる。

これらの症状がどれか一つでも見られたら、なるべく早く動物病院で検査をしてもらうことが大切です。

慢性腎不全の検査

もし血液検査で、尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cre)という値が高かったり、尿検査で尿の比重が低く、尿中に蛋白が出ている場合には腎不全が疑われます。

慢性腎不全の治療

腎臓は年齢と共にその働きが徐々に低下し、一度壊れてしまうと元に戻ることはありません。残された正常な部分で、今までの仕事をこなさなければならなくなってしまうのです。人の場合は「人工透析」と言って、定期的に血液を一度外に出して機械に老廃物を除去してもらう方法もありますが、体が小さく血液量も人に比べて少ないペットでは、一般的ではありません。
ペットの場合は残された正常な腎臓を守り、体に老廃物を貯めないようにする管理を腎不全の進行程度に応じて行うのが一般的です。
軽度の腎不全であれば、尿毒症の誘因となる物質を腸から吸収しないように、腸管内の有害物質を吸着して排泄を促進する吸着剤を投与します。そして、老廃物の元となるタンパク質やリンの含有量が調節された療法食に変更します。また、腎臓の血流を調節する薬を使用する場合もあります。
腎不全が進行して尿毒症を起こしたときには上記の治療に加え、動物病院で速やかに点滴を行い体内の毒素を薄める必要があります。

自宅で取り組む腎不全のケア

慢性腎不全の場合、そのケアは生涯続きます。動物病院での治療や処方してもらう薬ももちろん大事ですが、それにも増して飼い主さんによる家でのケアが非常に重要な取り組みとなります。次のことに注意しながら、うまく腎不全と付き合っていきましょう。

1. 十分な水分を取れるようにしましょう

慢性腎不全になると必要以上の水分がおしっことして出て行ってしまい、脱水を起こしやすくなるので、いつでも水が飲めるようにしてあげましょう。また、寒くなると冷たい水を飲みたがらなくなることもあるので、ぬるま湯にしたり暖かい部屋に水飲みを置くなどの工夫をするとよいでしょう。
また、特に猫では好みの水のみ方法があるかもしれません。蛇口から出てくる水が好き、風呂の水をよく飲むなど、その子の様子をよく観察して好みを知り、少しでも多くの水が飲めるように環境を整えてあげましょう。

2. 食事に気をつけましょう

腎臓に負担をかけないためには、十分なカロリーを摂取し、最小限の良質なたんぱく質を摂ること、リンを制限することが大切になります。症状を悪化させないための腎不全専用の特別療法食がありますので、それらに切り替えるようにしましょう。

3. 様子をよく観察しましょう

慢性腎不全が進行すると尿毒症になります。尿毒症になると口臭が強くなったり、ご飯を食べなくなったりする他、吐いたり、体温が低下したりもします。また、腎臓は赤血球を作るホルモンを分泌する働きもしています。慢性腎不全になると、このホルモンも減少するため貧血になってしまうことがあります。口の中がピンクではなく白っぽく見えたり、歩き方がふらふらするようであれば要注意です。このような症状が見られたら更なる治療が必要となりますので、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。

4. 正しい生活を送りましょう

慢性腎不全になってしまったペットに大切なことは、リラックスした生活を送らせることです。ストレスが症状を悪化させることもあるので、どうしたらペットが快適に過ごすことができるのかを常に考えてあげましょう。室温は常に適温になっているか?ベッドは落ち着ける静かな場所か?トイレは常に快適に使えるようになっているか?など細かなこと一つ一つに配慮することがとても大切です。
また、尿毒症を防ぐために体内の有害物質を吸着させるお薬を処方されたら、忘れずに毎日飲ませるようにしましょう。「今日は調子が良いから薬はいらないわ」と言う勝手な判断が一番よくないのです。

獣医師からのメッセージ

高齢の猫の慢性腎不全は避けることが難しく、残念ながら完治出来ない病気です。しかし早期に発見し、専用の療法食に変えたり、忘れずに投薬を行うことなど、小さなことを積み重ねることで進行を遅らせることができます。腎不全の症状は進行したときにでてくるため、定期的に健康診断を行い、早いうちに発見できるように心がけましょう。

ゼノくん、アックちゃんからの一言

どうやら高齢の猫と腎不全は切り離せないと考えた方がよさそうだね。治らない病気っていうのは怖いけど、検診で早期に発見して、飼い主さんが一緒に病気と付き合ってくれれば僕たちだって頑張れるよね。食事を変えるだけでも腎臓の負担は軽くなるみたいだから、療法食を食べながら飼い主さんと二人三脚、うまく病気と付き合っていこうね、アックちゃん。

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