動物の病気:知ることから始めよう! 〜分かりやすい病気の話〜

ペットの耳の構造と外耳炎について

犬や猫などのペットには外耳炎など耳の病気が比較的よくみられます。それは犬や猫の耳の構造が人とはちょっと違っていることに原因があります。大きく垂れ下がっていたり、毛がふさふさと生えていたり、さまざまな形態をした犬や猫の耳の構造について勉強してみましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

この間動物病院へ健康診断に行ったら、なんか望遠鏡みたいな装置で耳の中を見られちゃった。なんでもペットは人と違って耳の奥がよく見えないんだって。ぼくたちの耳の中ってどうなっているんだろう?
獣医師の先生に聞いてみよう。


私が答えます!Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

【ペットの耳のつくり】

犬の耳の模式図犬や猫の耳は人と少しだけ構造が異なっています。
外側から順番に見ていきましょう。
まず、一番外側の大きくてヒラヒラした部分を「耳翼(じよく)」と言います。平たい軟骨を皮膚で覆ったような構造になっていて、ある程度の硬さがあります。内側には「ひだ」があり、通常は薄いピンク色をしています。もともとは周囲の音を集めるためのものですからピンと立っている子もいますが、レトリーバーなどは耳翼が大きすぎて垂れ下がり耳の穴を覆っている子もいます。

耳の穴は耳道(じどう)と言い、やはり軟骨で囲まれています。ペットの場合は人と違って、耳道はまず垂直に下がって、途中で奥の方へと水平方向に折れ曲り、最終的に鼓膜につながっています。ワンちゃんの種類によっては耳道に毛がびっしりと生えていることがあり、奥までなかなか見えない子もいます。

鼓膜はとても薄い膜でできていて、常にピンと張った状態になっています。音によって生じる空気の振動を捉え、鼓膜自体が振動することによって音を奥へと伝えています。鼓膜を境にしてその奥には中耳、内耳(聴神経)が続いています。


【耳の分泌腺】

耳の内側には皮脂腺と耳道腺と呼ばれる脂を分泌する腺があり、耳の奥に入ろうとする細菌やほこりなどを手前でキャッチしています。この脂が固まったものが耳垢ですが、分泌する量には個体差があり、耳の健康状態によっても差が出てきます。多すぎる脂は耳道内の汚れのもととなり、細菌や酵母、ミミダニのエサとなって外耳炎を引き起こすこともあります。


【耳の検査】

先ほど説明したように犬や猫の耳道は途中で大きく折れ曲がっているため、耳の中を検査する時には「耳鏡(じきょう)」と呼ばれる特別な装置を使います。耳鏡は先端が細くなっていて、中を明るく照らすためのライトがついています。


【ペットがかかりやすい耳の病気、外耳炎】

外耳炎とは、耳の中が菌に感染して炎症を起こしてしまった状態です。菌は適度な温度と湿度、栄養分があればどんどん増殖します。犬や猫の耳の中はまさに菌の繁殖に適した環境で、そのため外耳炎が非常に多くみられます。
また、耳道が折れ曲がっているということは耳の中に水が入ってしまうと抜けにくいということでもあります。その上、垂れ耳の子はさらに耳に蓋をしているような状態であるため、熱と湿気がこもりやすくなります。さらに耳道に毛が生えていれば湿気も皮脂も溜まりやすくなってしまい、まさに菌の感染に三拍子揃った環境なのです。


【外耳炎は早期治療が大切】

菌の感染を引き起こすと、菌の毒素によって痒みが生じます。犬や猫は痒みを我慢することをしませんから、後ろ足で引っ掻いたり頭を地面に擦り付けて耳翼を傷つけたりします。そこでさらに菌の感染が起こり悪循環を繰り返してしまいます。やはり早期発見、早期治療が大切です。


獣医師からのメッセージ

ペットは自分で耳掃除をすることができません。耳に違和感を覚えているときは、頭をしょっちゅう振ったり、耳をしきりに後ろ足で掻いたりします。もしそのような仕草が見られたときや、耳の中の臭いが気になったり耳垢が多く出ているときには、なるべく早く動物病院に連れて行き診察を受けるようにしましょう。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

耳が痒いのって本当に我慢できないよね。でも、掻いていると今度は耳が真っ赤になって痛くなってきちゃうこともあるんだって。そんなふうになったら嫌だなあ。そうなったときのお薬とか、そうならないための普段のケアとかってあるのかな?
次回はその点についてもう少し詳しく聞いてみよう。

オトマックス

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