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動物の病気:知ることから始めよう! 〜分かりやすい病気の話〜

肝臓の機能と病気のお話

肝臓は別名「沈黙の臓器」とも呼ばれ、お腹の中の臓器としては比較的大きなものであるにもかかわらず、正確な場所がどこにあるのか、普段どんな働きをしているのかといったことがあまりよく知られていません。肝臓の機能と、もし肝臓がうまく働かなくなってしまった場合にはどんな病気になってしまうのかについて、少し学んでみましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

知り合いのネコちゃん、前からちょっと太り気味で大丈夫かなあって心配していたんだけど、この間動物病院で検査してもらったら「肝リピドーシス」っていう肝臓の機能が弱ってしまう病気になっていたんですって。肝臓って何をしているところなのかしら?肝臓が弱るとどうなっちゃうのかしら? 獣医師の先生に聞いて見ましょう。


肝臓の位置を説明しましょう

アックちゃんは、まず肝臓がどこにあるか知っているかい?肝臓は肺のすぐうしろ、横隔膜と胃に挟まれた場所にあるんだ。「しいたけのかさ」のような形をした比較的大きな臓器だけれども、通常は肋骨に覆われている部分にあるから外から触ることも出来ないし、胃のようにその場所を感じることもほとんどないから、ついついその存在を忘れてしまいがちだよね。
肝臓の位置

ふうん、胃の近くにあるってことは、食べ物を消化するときに働いているの?

肝臓は非常に多くの機能を持っています

ご名答!肝臓は胆汁という消化液を作り、胆管という管を経て十二指腸に排出しているんだ。胆汁は食べ物の中の脂肪を細かい粒にして、膵臓の消化酵素を働きやすくする作用があるから、消化液の一種と言えるだろうね。
でも、実は肝臓の機能はそれだけじゃないんだ。一つの臓器で数百もの働きをしているといわれているよ。消化以外の働きで主なものは次の3つだろうね。

1、 栄養の合成、分解、貯蔵

食べ物で取り込まれたタンパク質は消化されてアミノ酸となり、同じように炭水化物はブドウ糖に、脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解されて小腸から血管内およびリンパ管内に取り込まれます。そして血液中のこれらの栄養素は門脈と呼ばれる血管から肝臓内に取り込まれてアミノ酸は再びタンパク質に合成されて体をつくるもととなります。また、ブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして貯蔵され、体内で欠乏した時に再びブドウ糖に分解して血糖値を一定に保つ働きもしています。
さらに、これらの合成・分解を行う時には熱が発生し、この熱を血流によって全身に運ぶため、肝臓は体温を維持する働きも持っています。

2、 解毒

肝臓は、小腸で吸収されたり体内で作られた有害な物質を分解して無毒化する働きがあります。私たち人がアルコールを飲むとそれを無毒なものに分解するのが肝臓ですが、その他にも口にした薬を分解したり、タンパク質を分解する際に作られるアンモニアを排泄しやすい尿素に分解しておしっことして排出させるようにするのも肝臓の仕事の一つです。

3、 血液の貯蔵、血液の成分の合成と破壊

肝臓はその中にたっぷりと血液を含んでいます。全身の血液で余分なものは貯蔵しておき、足りなくなるとそこから放出して循環量の調節をしています。
さらに、古くなった赤血球を破壊し、使える成分は再び赤血球の原料として再利用し、捨てるものは胆汁の原料としています。赤血球だけでなく、出血したときに血液を固めるための因子なども肝臓で作っています。

へえ、肝臓ってすごいのね。じゃあ、もしこの肝臓に何かあったら大変なことになっちゃうわね。

多くの肝臓の病気はすぐには気がつきません

そうなんだ。もし肝臓がうまく働かなくなってしまうと、さまざまな障害がみられるようになるよ。たとえば、消化がうまくいかなくなることから嘔吐や下痢、食欲不振などがみられたり、解毒が出来なくなってしまうことからけいれんなどの神経症状があらわれたり、血液成分が不足してしまって出血が止まらなくなってしまうこともあるんだ。胆汁がうまく排泄できなくなると「黄疸(おうだん)」といって皮膚や白目が黄色くなってしまう症状があらわれることもある。
でも、これらの症状があらわれるのは肝臓の大部分が壊れてしまったときで、それまでは何の症状も現さないことが多く、気がついたら手遅れになっていた、なんてこともよくあるんだ。だから、肝臓の病気を発見するには、定期的に健康診断を受けることがとても大切だよ。

お友達の「肝リピドーシス」っていう病気はどんな病気なの?やっぱり手遅れになっちゃうような怖い病気なの?

「肝リピドーシス」は特に太ったネコちゃんが気をつけなければならない病気です。

「肝リピドーシス」とは別名「脂肪肝」とも呼ばれ、肝臓に大量の脂肪が溜まってしまうためにおこる病気のことだよ。肝臓は体の栄養を一時的に貯めておく所だから、もし脂肪を摂りすぎると肝臓に脂肪がどんどん蓄積してしまい、脂肪に圧迫された肝細胞は次第に壊されてしまうんだ。特に、元々太っている猫が突然ごはんを食べなくなると、体中の脂肪がエネルギー産生のため一気に肝臓に集中して肝リピドーシスになってしまうこともある。肝リピドーシスを食欲不振などの症状が出るまで放っておいたら、肝臓が機能しなくなり命の危険を伴うこともあるけれども、お友達のネコちゃんは確か、健康診断でまだひどくなる前に発見されたんだよね?肝臓は他の臓器と違って再生能力があって、適切な治療を行うことができれば元のように機能を取り戻すことができるから、大丈夫、きっと治すことができるよ。

肝臓の病気ってどうやって治療するの?

肝臓疾患の時には食事管理が重要です

肝臓の病気になってしまったら強肝剤といって肝細胞を活性化するようなお薬や、ビタミン剤を使うこともあるけれど、最も大切なことは正しい食事を取ることによって肝臓に脂肪が集まらないように、少しでも肝臓を休めるようにすることだよ。
脂肪は控えめにするけれど、消化のよいタンパク質や炭水化物をきちんと摂取することによって、アンモニアの生成を抑え、エネルギー補給して肝臓を再生に導くことが大切なんだ。肝臓が悪くなるとどうしても食欲が落ちてしまいがちだからなるべく美味しくて少量でもきちんと栄養が取れるような療法食を利用するといいと思うな。

ゼノくん、アックちゃんからの一言

肝臓の病気なんて、大酒飲みの人の病気だと思っていたけど、私たちペットもかかることがあるのね。特に猫は肥満になると肝リピドーシスっていう病気になりやすいって言うから、私もいつまでもこのプロポーションを保つように普段の食事にはくれぐれも気をつけなくっちゃ。

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