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動物の病気:動物の痛みの話

手術と痛みの話

手術とは、ペットをより良い状態にするために体にメスを入れる外科的な治療法です。治療とはいえ、体の一部を切るのですから、もし何もしていなければ当然痛みを伴いますが、実際には麻酔薬や鎮痛剤を用いることによって手術中や手術後にもなるべく痛みを感じさせないようにしています。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

お散歩で会ったプードルの女の子、今度避妊手術をするんだって。手術ってとっても痛いんじゃないかって、とっても不安そうだったよ。本当のところはどうなんだろう?手術するときって痛いのかな?手術したあともずっと痛いのかな?
獣医師の先生に聞いてみよう。


手術をするときには必ず痛くないように麻酔をかけて行います

避妊手術をするときには皮膚を少し切ってお腹の中の卵巣と子宮を摘出するから、もちろん何もしなければとても痛いと思うよ。でも、実際には全身麻酔をかけて眠っている間にすべてが終ってしまうはずだから、痛みを感じることはあまりないと思うな。獣医師の先生は注意深くペットの様子を観察しながら、十分深く安定した麻酔が効いている状態になってから手術を開始するから、そんなに心配することはないと思うよ。


麻酔薬って眠らせちゃうお薬なの?

麻酔薬はただ眠らせるだけではなく、手術をしやすくするためのお薬です

もちろん深く眠らせて不安や恐怖といった意識を取り除くことも麻酔の大切な目的だけれど、手術の時に麻酔薬を使う理由はそれ以外にもあるよ。
たとえば眠っていても体を傷つけられたら痛い、と思うよね。痛いと思ったら無意識に体を動かして暴れてしまうかもしれないけど、もし手術中に動かれてしまったらとても危険なことはゼノくんも想像できるよね。手術中に痛みを感じさせない、体を動かせないようにすることも麻酔の重要な目的だよ。あと、体の緊張を解いて筋肉を緩めて手術をしやすくすることや、のどを刺激されると無意識に吐いてしまうなど「反射」と呼ばれる体の反応を抑えて手術時のトラブルを避けることも、麻酔をかける理由になるだろうね。

ふうん。麻酔をかけている間って、ただグーグー寝てるだけじゃないんだ。
でも、手術したあとってお腹に縫った傷があるんでしょ?麻酔から覚めたらやっぱりその傷が痛いんじゃない?

手術後は鎮痛剤を使って痛みを軽減させます

うーん、以前は「動物は人よりも痛みに対して鈍感である」と言われて動物には手術後の痛みを取り除く必要はないと思われていたようだけれど、きちんと縫ってあるとはいえ、やはり体を切ったあとに痛いのは人でも動物でも同じだよね。だから最近は手術をしたあとに「ペイン・コントロール」と言って鎮痛剤を使ってなるべく痛みを減らすようにしているよ。

痛みは我慢しないで痛み止めのお薬を使ったほうがいいの?前回炎症の話をしてくれた時に、痛みは体からの大切な合図だって言っていたよね。

痛みが体にとって有害となることがあります

よく覚えていたね。痛みは確かに体からの異常を示す合図だから無視をしてはいけないよ。しかし、それが強すぎたり長引く場合にはかえって有害となることがあるんだ。以前は手術後の痛みで動物が大人しくうずくまっているのは傷の回復にとってよいことだと思われていたんだ。でも、最近になって痛みを感じつづけて動かないことはあまりよいことではなく、痛みを抑えてストレスのない生活をするほうが手術の傷の回復が早いことがわかってきたんだ。

えー、そうなの?ぼくたち、飼い主さんに心配させちゃいけないって、痛みはじっと我慢するものだと思っていたよ。

痛みは手術後の回復を遅らせることがあります

実は、最近の研究によると痛みを我慢していると体の中にストレスホルモンが分泌され、血行が悪くなったり免疫力が低下するために傷が治りにくくなり傷の回復の妨げになることが分かってきたんだ。さらに痛みを感じていると元気や食欲がなくなるため、体力の回復も遅れることになるしね。
痛みを我慢していると、それだけで体にとって悪影響を与えることになるんだ。だから、鎮痛剤を使ってなるべく痛みを取ってしまいたいね。

ゼノくん、アックちゃんからの一言

僕たちは飼い主さんに心配をさせたくなくて痛みをあまり表にあらわさないようにしていたけど、実はそれが傷の治りを悪くしていたなんて全然知らなかったよ。痛みのない生活で毎日美味しくごはんを食べてよく寝ることが健康回復と飼い主さんのためになっていたんだね。
今はいい鎮痛剤があるから痛みを我慢することもないみたいだね。プードルの女の子にも心配要らないよって教えてあげようっと。

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