関連情報

関連製品

動物の病気:動物の痛みの話

手術後の痛みとリハビリテーション

病気を治療するために体にメスを入れる手術を行うことがありますが、手術が終ったらそれで治療が終わってしまうわけではありません。手術後の管理が重要になります。特に関節や筋肉・神経など、体が一時的に動けなくなってしまうような手術のあとは運動療法などの理学療法といったリハビリテーションを行い、元通りの機能を取り戻させることがとても重要です。今やペットの術後リハビリテーションは獣医師と飼い主さんの二人三脚で行う大切な治療スケジュールのひとつとなっています。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

骨折や関節の病気で手術をした後でも、ただじっとしていれば良いわけじゃないんだって。リハビリテーションといって少しずつでも体を動かしたりマッサージをしたほうが元の体に早く戻るらしい。実際にはどんなことをするのかな?無理に動いたら何か痛そうだけど、その辺はどうなんだろう? 獣医師の先生に聞いてみよう。


Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

【術後リハビリテーションの重要性】


ペットの術後リハビリテーションとは、今までの「怪我が治ればいい」「命が助かればいい」といった考えから一歩進んで、なるべく早く適切な動き、体力、機能を回復させて、家庭内で今までどおりの生活をさせるために、人の理学療法の発展に伴ってペットにも導入されるようになってきた治療法です。

リハビリテーションというと、人が理学療法士のもとで歩行訓練をしたりストレッチをする動作が思い浮かびますが、行うことはペットも同じです。獣医師の指導のもとでこれらを行うことで、手術後の痛みや腫脹、炎症を緩和させることが出来ます。そしてそれと同時に可動性やバランス能力の回復、筋肉の萎縮防止に役に立つのです。

リハビリテーションの方法はいくつかあり、ペットの状態や治癒の段階、誰が行うのか(獣医師、看護師、飼い主さんなど)によって方法を選択し、組み合わせて行っていきます。

【リハビリテーションの方法1:マッサージ】

マッサージはペットのリハビリテーションの基本で、皮膚をさすったり軽く圧迫を加える方法ですが、正しく行うことによって血行が促進し、筋肉をリラックスさせることができます。感覚神経も刺激されるため、手足の麻痺を回復させる助けになることもあります。また、毎日優しく触ってもらえることがペットにとって喜びとなり、手術後の痛みを緩和し、元気や食欲の回復を期待することも出来ます。

【リハビリテーションの方法2:ストレッチ】

痛みや神経の麻痺で体の一部が動かなくなってしまった時、何もしないままでいると関節は固くなり、また関節を動かす筋肉も退化してしまうため、ますます動けなくなってしまいます。人が手を貸してストレッチをするように、関節を普段使うように動かすことによって、可動域を増やし、筋肉の萎縮を防止していきます。

【リハビリテーションの方法3:運動】

たとえば、関節の手術をしたあとは、その関節周囲の筋肉をできるだけ早く発達させて関節をカバーすることが、今までどおりに歩けるようになるためにとても重要です。また、歩くことが困難になってしまったペットの体を支えて歩行訓練をすることは、筋肉を鍛えるだけでなく、バランス能力や生きる気力を回復させて、ペット自身のQOL(クオリティーオブライフ:生活の質)を向上させることにも役立ちます。
最近では水泳療法といって、浮き輪をつけて水中で体を動かすリハビリテーションも行われており、これは体重の負担をかけずに関節を曲げ伸ばしすることができ、筋肉や心肺機能を強化することが可能であるため、現在非常に注目されています。

【リハビリテーションの方法4:物理療法】

人の理学療法で使われている医療機器がペットに使われることもあります。
レーザー光線治療:痛みの原因となる物質の分泌を制御し、感覚神経の興奮を抑えるため、痛みを取ることが出来ます。
赤外線照射治療:患部を温めて血流をよくする効果があり、痛みを緩和することが出来ます。
超音波治療:温熱効果と炎症に対する治癒力を高める効果があります。

【リハビリテーションをするときに大切なこと】

すべてのリハビリテーションは必ず専門家に施術してもらうか、方法を指導してもらってから行うようにします。素人が見よう見真似で行うとかえって筋肉や腱を痛めたり、傷の治りを遅くすることがあるため、絶対にしてはいけません。
また、ペットはリハビリテーションがどんな目的でされているのかがわからないため、何をするにしても決して辛かったり痛かったり怖かったりすることのないように気をつけなければいけません。もし水を怖がるようなら無理をして水中歩行をさせることはありませんし、手術後の痛みを伴うような場合には消炎鎮痛剤を使用しながら行う必要もあるでしょう。大切なことは毎日少しの時間でも楽しく続け、ペットが自発的にリハビリテーションを行うように導いてあげることです。

獣医師からのメッセージ

つい数年前までは整形外科や脊椎の手術をした後はとにかく安静第一といわれてきました。しかし、動物に対する理学療法の知識も増え、最近では手術後のリハビリテーションは治療の重要な流れのひとつになりつつあります。もし、ペットが何か大きな手術をするときには手術後のリハビリテーションのことも頭に入れて、獣医師とよく相談するようにしましょう。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

リハビリテーションってもっと辛くて痛いものかと想像していたけど、毎日少しずつ飼い主さんとふれあいながら体力を回復させていくものなんだね。良い痛み止めのお薬もあるから、そんなに辛いものでもなさそうだし、僕安心したよ。

↑ このページのトップへ