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動物の病気:動物の痛みの話

ターミナルケアについて

あまり考えたくない話ですが、ペットはどんなに長生きしても私たち人間よりは短命です。私たちはペットを家族に迎えた以上、その最期を迎える日を覚悟しなくてはなりません。病気にせよ、天寿を全うするにせよ、お別れの日がくるまでペットがなるべく心安らかに過ごすための飼育管理、ターミナルケアについて今から少し考えてみましょう。

ゼノくん、アックちゃんの素朴な疑問

ゼノくん、アックちゃん

たとえば、僕たちが不治の病になっちゃったら、もうずっと病院に入院していないといけないのかな。おうちの中のいつもの場所で過ごしながら介護をしてもらうことってできないのかな?
獣医師の先生に聞いてみよう。


Dr.ペテラス ペテラス・ワールドの獣医師。ホームドクターとしてあらゆる疑問を即解決!

【ターミナルケアとは】

ターミナルケアとは、治すことのできない病気(悪性の腫瘍など)が末期症状になってしまったときに、少しでも毎日の生活がつらくないようにする管理のことで、人のほうでは「緩和ケア」という言い方をすることもあります。病気を積極的に治すことが目的ではなく、肉体的な痛みを和らげたり、精神的な不安を取り除くことを主眼にした治療法をすすめていきます。

ペットの場合、ターミナルケアは飼い主さんと獣医師の二人三脚で行います。ペットの精神面を考えるとターミナルケアは通常住み慣れた自宅で行われ、人のように病院に長期入院という形は多くありません。


【自宅でのターミナルケア】

容態が急変したり、薬の注射や酸素テントなど病院でしかできないケアも多くありますから、そのときには病院で治療が行われます。しかし、病気の治療よりもペットの過ごしやすさを重視した場合、やはり症状が落ち着いたら再び自宅に帰り、飼い主さんができる範囲での治療やケアを続ける例がほとんどです。

自宅でのターミナルケアの場合、基本として次のようなことに注意します。

  • 寝たきりの場合が多くなるため、床ずれに注意する。
  • 自力でトイレに行けなくなる場合もあるため排泄物のケアをこまめに行い、そのほかにも口や目などの顔周りも含めて衛生面に気を使う。
  • 体温調節がうまくできなくなるため、温度管理に気をつける。
  • 少しでも食欲が出るように、フードを温めたり、流動食にするなど工夫する。


【ターミナルケアで重要なこと】

ペットのターミナルケアの場合、重要なことはできるだけ今までと同じような生活をさせるということです。ペットは環境の変化というものをあまり望みません。今までと同じ物を食べ、同じ顔ぶれで同じように暮らしたいと思っています。ですから、どんなに整った施設での入院でも、いつもと違う場所で知らない人に触られるというだけでペットにとっては大きなストレスとなってしまいます。安心できる場所で肉体的な痛みや不快な症状を緩和することと、食欲を維持することがペットのターミナルケアではとても重要です。


【悪性腫瘍のターミナルケア】

ターミナルケアは特に悪性腫瘍が見つかり、完治させることができないと診断された場合に考えなければいけません。悪性腫瘍が手術で切除することが不可能な場所にできてしまい、ただ大きくなるの見ているしかない場合、大きくなった腫瘍に神経を圧迫されてペットが痛みを訴えることもあります。また、一部を切除できたとしても術後に痛みが生じます。このような場合には鎮痛剤を用いて痛みを緩和していきます。また腫瘍を小さくしようと抗がん剤を使用することもありますが、それによってペットが食欲不振などの不快感を訴えることがあります。このような場合には食欲を少しでもださせるようなサプリメントを用いて食欲をとりもどすようにします。悪性腫瘍という治せない病気になってしまったときほど、少しでも一緒にいて楽しかったと思えるような生活をペットにさせてあげようとする気持ちがターミナルケアの基本です。


【痛みをとることの重要性】

ターミナルケアで大切なことのひとつにペットの肉体的な痛みを軽減させることがあります。体のどこかに痛みがあるとペットは体を動かすことができずに寝たきりになってしまったり、呼吸がしづらくなって息苦しくなったり、食欲がなくなったりしてきます。特に食欲がなくなってしまうと栄養を十分に摂ることができなくなるため、体力や免疫力が低下し症状はどんどん悪化していってしまいます。また痛みが続くとぐっすりと眠ることもできなくなるため、とても疲労してしまい、病気に対してがんばろうという気力もなくなってきてしまいます。

また、痛みがあるとペットはイライラしたり、逆に沈うつな表情になったり、怒りっぽくなることもあります。痛みをとるということには、こういった心の痛みを軽減させる目的もあるのです。

さらに、ペットが痛がっている様子を見るのはとても辛いですよね。いてもたってもいられなくなって少しでも何とかしてあげたいとずっとそばに付き添ってあげていたら、今度は飼い主さんの生活サイクルが狂ってきてしまい、体調を崩したりちゃんと世話をしてあげることができなくなってしまったという話もよく聞きます。ペットの体の痛みをとるということは、同時に飼い主さんの心の痛みを取るということでもあるのです。


【ペットのQOL】

QOLとはクオリティーオブライフ(=Quality Of Life)、すなわち生活の質のことを指す言葉で、ターミナルケアの時にはこれを重視した介護法を考えていかなければなりません。すなわち、治る見込みのない病気になってしまったときに、延命効果だけを重視せず、残された時間をどれだけ充実した生活を送ることができるかを考慮するということです。たとえば、悪性腫瘍で抗癌剤を使用しながら介護するときには、抗癌作用の強い薬剤だけを使用するのではなく、免疫力を上げながら食欲増進効果も期待できるサプリメントなども併用させて、なるべくペット本人が治療に対して苦痛を感じないような方法を選択するということです。QOLを大切にする治療法に関しては、飼い主さんがペットにどうしてあげたいかを獣医師とよく相談することが大切です。


獣医師からのメッセージ

ペットを最期まで責任を持って看取るということは、精神的にも経済的にもとても大変なことだと思います。しかし、それができるのはやはり今までずっと一緒にいた飼い主さんしかいないのです。わからないこと、不安なことは何でも何度でも獣医師に相談してみてください。一緒にペットにとって最もよいケアの仕方について考えていきましょう。


ゼノくん、アックちゃんからの一言

どんなにつらくても、おうちの人が最期まで一緒にいてくれたら、それだけで僕たちは頑張れるよね。それに今はいいお薬やサプリメントもあるみたいだから、大丈夫、きっとおうちでの闘病生活もいい子でいられるよ。

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